埼玉新聞

 

二十歳の「新成人」6万9927人…6年連続で減少 埼玉で初めて7万人を下回る 県内各地で「成人式」 前年より192人減 川口や草加など21市町村では増加

  • 晴れ着で門出を祝う新成人たち=11日午後、川越市新宿町

    晴れ着で門出を祝う新成人たち=11日午後、川越市新宿町

  • 10歳のころ、20歳になった自分へ宛てて書いた手紙が返却され、旧友と見せ合う式典の出席者たち=11日、熊谷市上川上の彩の国くまがやドーム

    10歳のころ、20歳になった自分へ宛てて書いた手紙が返却され、旧友と見せ合う式典の出席者たち=11日、熊谷市上川上の彩の国くまがやドーム

  • 風にも負けず、記念撮影をする男性新成人=11日、宮代町須賀の東武動物公園

    風にも負けず、記念撮影をする男性新成人=11日、宮代町須賀の東武動物公園

  • 知人からサプライズの花束を受け取る参加者ら=11日、川越市新宿町

    知人からサプライズの花束を受け取る参加者ら=11日、川越市新宿町

  • 晴れ着で門出を祝う新成人たち=11日午後、川越市新宿町
  • 10歳のころ、20歳になった自分へ宛てて書いた手紙が返却され、旧友と見せ合う式典の出席者たち=11日、熊谷市上川上の彩の国くまがやドーム
  • 風にも負けず、記念撮影をする男性新成人=11日、宮代町須賀の東武動物公園
  • 知人からサプライズの花束を受け取る参加者ら=11日、川越市新宿町

 2026年に成人式を迎える県内の二十歳の「新成人」は、前年より192人減の6万9927人(25年11月1日現在)で、6年連続の減少となったことが県教育委員会の調査で分かった。自治体別では、全63市町村のうち、前年比で減少したのはさいたま市や鴻巣市など41市町、増加は川口市や草加市など21市町村。小鹿野町は前年と同数だった。県内の成人式は11、12日に全市町村で行われ、11日は47市町村、「成人の日」の12日は16市町で実施される。

 県生涯学習課によると、県内の新成人数は1993年の13万613人をピークに減少傾向が続き、調査を開始した81年以降、今年初めて7万人を下回った。自治体別の人数では、さいたま市が1万2621人で最も多く、最小は東秩父村の21人だった。増加率が最も高ったのは白岡市の34・2%(前年度比148人増)で、減少率は長瀞町が34・8%(同23人減)で最も高かった。

 2022年4月に成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたことから、さいたま市など42市町村は「二十歳のつどい」「20歳を祝う会」などの名称で成人式を実施。戸田市など5市町が成人式と併記し、北本市などの5市町は成人式のままとした。成人式発祥の地とされ、変わらず「成年式」の名称を続ける蕨市を含む11市町が独自の名称で成人式を行う。

 式典のみを実施する自治体が21市町村、式典と併せて記念行事などの催しを行う自治体が42市町。式典と併せた催しは「恩師の言葉・ビデオメッセージ」が最も多く、次いで「記念撮影」「成人者の抱負・インタビューなど」と続いた。新成人が式の企画・運営に参加している自治体は59市町で、うち30市町では新成人による実行委員会が式を主催している。

 新成人への記念品を贈る自治体は45市町村で、記念品は「記念写真」が最も多く14市町村。所沢市など6市町が複数の会場で式を実施する。

■貢献できる人間に/熊谷

 熊谷市は同市上川上の彩の国くまがやドームで、「二十歳の成人式」を開催。市内在住者または、現在は市外で暮らしている出席希望者の計1861人が招かれた。

 式典で小林哲也市長は「昨年10月1日、熊谷市は皆さんと同じく誕生20周年の節目を迎えた。これからの時代は変化が激しく、予測することが困難だが、変化を恐れずにチャンスと捉えてください」と式辞を述べた。出席者を代表して、実行委員長の真下一成さん(19)と副実行委員長の湯田花梨さん(20)が「二十歳の誓い」を実施。2人は「ふるさとの熊谷で培った経験と人とのつながりを糧に、社会に貢献できる人間を目指して努力を重ねてまいります」と決意を新たにした。

 市立小学校では、10歳を迎える4年生の児童が20歳の自分へ向けて「ハーフ成人の手紙」を書いている。今回出席した新成人は、取り組み1年目の学年で、式典後に初めて手紙が返却された。10年前の自身からのメッセージを読んだ大学2年生の青柳尚真さん(20)は、「今とは全く違う夢を持っていたことを思い出した」と懐かしんだ。

■挑戦を忘れない/宮代

 宮代町は東武動物公園のイベントステージ「HOLA(オーラ)!」で、「二十歳のつどい」を開催した。華やかな振り袖姿などに身を包んだ193人が出席。冷たい風が吹き荒れる中、恩師や同級生との再会を楽しみながら、門出を祝い合った。

 つどいの司会は実行委員で専門学校生の南保琉和斗さんと近藤陽菜さんが務めた。実行委員長で大学生の名取美歩さんが式典で「失敗を恐れず、挑戦を忘れないで生きていきたい」と代表あいさつした。

 アトラクションでは、黒いマントを着て、マスクやサングラスなどで顔を隠した中学校の恩師計6人が登壇し、質問をしながら新成人が恩師は誰かを当てた。「今、何をしてますか」と尋ねられた恩師が「二十歳のつどいに参加してます」と答えると、会場は笑いに包まれた。

 つどいが終わった名取さんは「みんなが喜んでくれて良かった。達成感があります」とほほ笑んだ。

■つながり大切に/川越

 川越市は同市新宿町のウェスタ川越で「二十歳のつどい」を開催した。色鮮やかな振り袖や新しいスーツに身を包んだ20歳を迎えた2287人が出席し、新しい人生の門出を仲間たちと祝った。

 市によると、市内の対象者は3430人で、参加率は62・5%。2部に分かれて開催された。森田初恵市長は、「川越で学んだことを生かし、さらに視野を広げ、川越から世界へと大きく羽ばたく活躍をしてほしい」と期待。第2部の参加者代表の脇田くるみさんは、「この20年間でもらった愛情を、人に、社会に恩返しするバトンが回ってきた。これから私たちも多くの困難を経験し、時には挫折を味わうと思う。そんな時こそ、人とのつながりを大切にしたい」と誓いの言葉を述べた。

 今回のつどいのテーマは「爛漫(らんまん)」。会場には華やかに飾られたフォトスポットが登場し、参加者は友人らと共に笑顔で写真に納まっていた。

■新成人の思い聞く

 将来がなかなか見えづらい混迷する社会情勢の中、20歳の新成人は自分の未来について何を考え、どう生きていくのか。思いを聞いた。

 熊谷市の大学2年生小林千晶さん(20)は「最近、世界で起きていることは心配ではある。保育士を目指して学んでいるが、どんな世の中になっても、子どもは最も大切な存在であるのは変わらない」と話し、「自分にできるのは、保育士として常に子どもたちを第一に考えること。子どもたちに楽しい記憶を残してあげ、共働きの保護者を支えられる保育士になりたい」と夢を描いた。

 中学校の友人同士で川越市のつどいに参加した社会人の福田奈美さん(20)は、「ニュースはエンタメしか見ないので、社会についてよく知って、適応していくことを考えたい」。4月からIT企業への就職が決まっている専門学校生の荒川千幸さん(20)は、「どんな世の中でも自分らしく、自分を大切にして生きていきたい」と誓った。

 「何事も諦めずに継続させ、誰かの役に立てるように生き、自分も大切にしたい」と話す宮代町の大学生土谷萌永美さん(20)、専門学校生の小林沙彩さん(20)、社会人の元木花夢奈さん(20)。仲良し3人組は、「若い人が頑張れる環境もつくって、みんなが平和で戦争のない世界になってほしい」と未来に期待を寄せていた。

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