大宮公園の周辺整備へ エリア内を5ゾーンに区分け、今までない広場を配置 各ゾーンを巡りやすく常に楽しめるように計画 地元は混雑を懸念、今後どうする
埼玉県は25日、大宮公園周辺の交通混雑の現況把握や具体的な対策などを検討する第一回目の大宮公園周辺道路問題検討委員会(委員長・菊池雅彦埼玉大学大学院理工学研究科環境社会基盤部門教授)を、さいたま市浦和区の県庁とオンラインで開催した。
県は現在、双輪場・野球場・サッカー場など大宮公園の主要施設を含むエリアの整備を進める大宮スーパー・ボールパーク構想の実現に取り組んでいる。一方で、県民からは公園周辺の交通混雑のさらなる悪化を懸念する声が示されていることから、同委員会を設置し、公共交通のあり方などを検討していく。
委員には、学識経験者として久保田尚埼玉大学名誉教授のほか、関係行政機関として国土交通省関東地方整備局大宮国道事務所の計画課長など13人が出席。公園周辺の局所的な道路整備や、公園内外で連携した駐車場整備などについて議論した。また新たなモビリティの導入、公共交通の利便性向上などについても意見が交わされた。同委員会は約1年かけて2回ほど招集し、一定の方向性を示すという。
菊池委員長は「大宮公園の周辺道路状況は難しい問題ではあるが、参加される方の豊富な経験と知識を合わせれば、いろんな検討・対策が進むだろう」と話した。
■NACK5スタジアム大宮は(以下、9月13日配信)
埼玉県は9月12日、2022年3月に公表した「大宮スーパー・ボールパーク構想」の具現化に向けた大宮公園再整備の基本計画を策定し、大宮競輪場を多目的競技場として第一公園内から第二公園へ移転する方針を発表した。「試合がある日もない日も楽しめる公園」をコンセプトに、新たな広場「賑(にぎ)わいエリア」を核として、地域と連携した取り組みや防災機能の強化を目指している。
計画では、「自然・景観」「水とみどり」「にぎわい」「公園運営・官民連携」「交流・回遊」「防災」の六つを基本的な観点として設定。賑わいエリアと各競技施設の連続性を確保する全体の空間計画を始め、スポーツ観戦前の滞留を解消するエントランス機能や、周辺のまちづくりと連携した公園の活用などを整備方針として盛り込んだ。
第一公園内に密集していた三つの競技施設のうち、大宮競輪場を第二公園に移設し、計画エリア内を五つにゾーニング(区分け)。第一公園南北に球技場エリア、その間に賑わいエリアとして今までなかった広場を配置することで、競技施設間の連携やエリア全体の回遊性向上を図る。第二公園にも賑わいエリアを設置し、多目的競技場エリアと合わせて新たな賑わいの創出を目指す。そのほか、環境保全エリアやエントランスを設置する。
移転する大宮競輪場は、公園施設として競輪以外の機能を求められることから、多目的競技場として整備。競輪が開催できる規模のバンク(競走路)を維持しつつ、多様な競技との相互活用や賑わい創出が可能な新たな機能を導入する。老朽化が進み、雨漏りも生じている県営大宮球場は、アマチュア野球会場の機能も継続しつつ、プロ野球興行にも対応できる運営を行う。
J2RB大宮アルディージャのホームスタジアムとして使用されているNACK5スタジアム大宮は、新設などのJリーグスタジアム基準を満たさず、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)開催基準にも適合していない。さいたま市公園施設長寿命化計画では、スタジアムの更新時期を57年としており、施設管理者であるさいたま市がRB大宮などと連携し、整備の方向性を今後検討する。
県は、今後のスケジュールについて、各競技施設の基本計画や事業手法と合わせて精査していくとしている。県公園スタジアム課は「施設の配置が大きなポイントで、さまざまな意見があるが、丁寧に説明していきたい。基本計画を基に、『試合がある日もない日も楽しめる公園』というコンセプトの実現を目指して進めていく」と話している。









