子どものインターネット 適切な利用推進へ条例成立 埼玉・川口 担当窓口設置し、相談支援 背景にSNS通じた犯罪被害やトラブル事案の増加も
川口市議会は12月定例会最終日の23日、「市子どものインターネットの適切な利用の推進に関する条例」を全会一致で可決した。市や保護者の役割を明確にするとともに、市の施策の基本事項を定めることで、18歳未満の子どものインターネットの適切な利用を推進し、健やかな成長につなげることを目的とする。市に担当の窓口を設け、相談支援を充実させる。施行は来年4月1日。
条例では基本理念を「子どものインターネットの適切な利用の推進は、子ども自らがインターネットを適切に活用する能力を習得することを旨として行われなければならない」と規定。インターネット利用による被害防止を図るため、市は子どもや保護者に必要な知識の普及や、意識啓発に努めるほか、市青少年対策室に窓口を設け、利用者に生じた不利益を解消し、心理的負担を軽減するための相談支援体制を充実させる。
保護者に対しては被害防止へ必要な知識や能力習得に努めるよう促すほか、子どもとの間で家庭状況や発達段階に応じて利用に関する取り決めを行い、子どもと保護者がこれを守るよう努めるよう促すとしている。罰則は設けない。
子どもに焦点を当て、インターネットの適切な利用を定めた条例は全国的にも珍しいとみられ、条例制定の背景には交流サイト(SNS)などが子どもたちにも普及する一方で、利用することによって犯罪被害やトラブルに巻き込まれる事案が増加していることがあるという。
条例案作成を担った杉本佳代市議(自民)によると、提案に当たって自民市議団はプロジェクトチームを立ち上げ、市内の小学4~6年生、中学生、市立高校の児童生徒と保護者に使い方などを尋ねるアンケート調査を実施。「知らない人から連絡があった」など、利用に際しての不安の声が寄せられたという。
杉本市議は「子どもが被害者となるだけでなく、時には加害者となる危険性をも内包しており、社会全体で早急に対応すべき課題」と指摘した。
市青少年対策室担当者は施行へ向け、今後、市ホームページや広報誌などで条例について市民に広く周知を行うとしている。









