東アジアに広く分布するガの一種「エゾスズメ」の幼虫とさなぎが攻撃された際に出す「シュー」という鋭い音は、呼吸に使う気門という穴から空気を噴出して鳴らしていることが分かったと、神戸大と福島大のチームが8日、英国の生物学誌に発表した。捕食者の鳥や小型の哺乳類を、ヘビが出すのに似た音で威嚇し、身を守ろうとしている可能性がある。
チームによると、昆虫の幼虫やさなぎが捕食者に対して警告音を出すのには、あごを打ち鳴らしたり体をこすり合わせたりする方法がある。気門を使う幼虫も知られているが、さなぎへと姿を変えても使い続ける例は初めてだとしている。