埼玉新聞

 

白黒じゃなくて白と緑…深谷ねぎでリバーシ 廃棄されるネギの葉を資源化し活用 大部分が畑への廃棄処分となっていた葉 腐敗すると悪臭が発生し、農家の悩みの種だった

  • 新商品「深谷ねぎリバーシ」を持つ埼玉工業大学の学生たち=18日午前11時35分ごろ、深谷市役所

    新商品「深谷ねぎリバーシ」を持つ埼玉工業大学の学生たち=18日午前11時35分ごろ、深谷市役所

  • 新商品「深谷ねぎリバーシ」を持つ埼玉工業大学の学生たち=18日午前11時35分ごろ、深谷市役所

 深谷市普済寺の埼玉工業大学(内山俊一学長)が開発した地元名産「深谷ねぎ」の残渣(ざんさ)問題の解決を目的とした新商品「深谷ねぎリバーシ」の商品発表会が18日、市役所で行われた。同大は出荷時に廃棄されているネギの葉を資源化し、生成したバイオプラスチック材料を成形加工する技術を開発。その技術を活用した深谷ねぎリバーシを企画・製造し、来年度から市のふるさと納税返礼品としての販売を目指している。

 埼玉工業大によると、深谷市を代表する野菜である深谷ねぎは出荷時に長さを規格に合わせるため、先端の葉が切り落とされており、作物残渣となる部分は概算で年間約6300トンと推測。その大部分が畑への廃棄処分となり、腐敗すると悪臭が発生し、農家の悩みの種になっているという。

 深谷ねぎリバーシは埼玉工業大工学部生命環境化学科環境物質化学研究室(本郷照久教授・クリーンエネルギー技術開発センター長)と、同大人間社会学部情報社会学科経営企画研究室(本吉裕之教授・地域連携センター長)が協力開発。プラスチック成形加工会社コーワプラス(吉川市)が商品成型し、駒の主原料は深谷産ねぎの残渣から抽出したセルロースで、ボードは深谷産米のもみ殻から製造した。

 価格は未定で、駒は表裏が白色と緑色になっている。23日に兵庫県朝来市で開催される「全国ねぎサミット2025inあさご」でアピールする予定で、小島進市長は「大変感慨深い。深谷にとどまらず、全国のねぎ産地にとって参考になり、持続可能な農業に寄与する」と期待を込めていた。

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