埼玉新聞

 

埼玉のふみくら展、浦和で9月1日まで 江戸時代を中心に日本史上の著名な出来事を展示

  • 古文書や絵画など、地元ゆかりの史料から歴史を考える展示を実施=さいたま市浦和区高砂の県立文書館

 江戸時代を中心に、日本史上の著名な出来事を、地元に残された史料を通じて知る展示「埼玉のふみくら―古文書から日本の歴史を見る」が25日から、さいたま市浦和区の県立文書館で始まった。9月1日まで、展示替えを挟み67点の古文書などの史料を展示する。同館開館50周年と、リニューアルを記念する展示。

 「ふみくら」とは古文書や書物を保管する蔵や文庫、書庫を意味する古語。江戸の始まりから幕末までにかけ、寺社や県内旧家文書などを展示している。

 展示のうち「徳川家康社領寄進状」は、所沢市の北野天神社に伝わった書状で、天正19(1591)年11月、江戸に入った徳川家康が有力寺社を保護するために出した朱印状。戦国時代末から、関東がどのように治められたかを知ることができる。

 「御天守百分一之地割」は1657年に発生した明暦の大火で焼失し、以後、再建されていない江戸城天守閣の建築図。歓喜院聖天堂(熊谷市妻沼)を建築した大工棟梁林正信が所蔵していた図を川俣村(羽生市)出身の宮大工三村正利が天保10(1839)年に写したもので、柱や屋根の配置、各階の平面図など、今は失われた江戸城天守閣の様子を詳細に見て取れる。

 ほか「武家諸法度」「公事方御定書」「王政復古之大号令」といった教科書でも見られる著名な史料や、地図「元禄七年川越図」「離縁状(りヱんちやう)」といった当時の身近な生活の様子を知ることができる史料を展示。主任学芸員の関口真規子さんは「地域に残された文書一つ一つから、日本の歴史につながる、地元の歴史に思いをはせていただければ」と来館を呼び掛けている。

 7月28日まで前期、同30日から後期展示。月曜、祝日、月末休館。午前9時~午後5時、観覧無料。

 問い合わせは、同館(電話048・865・0112)へ。

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