怖い…女性2人死亡、4階で心肺蘇生する姿 22歳男に襲われたか 評判の老人ホーム、深夜に騒ぎ 兄が入所し慌てて駆け付けた妹、本人と連絡が取れず…声を震わせ「何が起こったのか知りたい」
15日午前4時55分ごろ、鶴ケ島市若葉2丁目の介護付き有料老人ホーム「若葉ナーシングホーム」で、入所者の高齢女性2人が血を流して倒れているのが発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。県警は同日午後、女性1人に対する殺人の疑いで、施設元職員の無職男(22)=熊谷市箱田4丁目=を逮捕した。「刃物で刺して殺したことは間違いない」と供述し、別の1人の殺害もほのめかしているという。県警は西入間署に特別捜査班を設置し、動機や詳しい経緯を調べる。
死亡したのは、入所者のいずれも無職の女性(89)と女性(89)。
■住民ら騒然「丁寧な病院という印象」
現場周辺は東武東上線若葉駅近くで交通量が多い。現場周辺には広範囲に規制線が引かれ、近隣住民は規制線越しに現場周辺を不安そうに見つめていた。
80歳の兄が同施設に入所しているという川越市の女性(75)は、報道で施設の名前を見て慌てて面会をしようとしたが、規制線の中へ入ることはできなかった。施設の入所者の部屋は個室になっており、面会する際には予約して、記名が必要で「いつも優しくしてくれて良い施設だった」と話す。兄とは連絡が取れておらず、「兄の施設で事件が起きて怖い。何が起こったのか知りたい」と声を震わせた。
施設近くに住む50代女性は15日午前5時半ごろ、救急車の音を聞いて施設を見ると、4階の一室で心肺蘇生をしている様子が見えたという。近隣の小学校では運動会があり、小学生は警察官に付き添われながら登校した。何らかの事情を知っているとみられる元職員が確保されたことで、女性は「ひとまず安心した」と安堵(あんど)していた。
施設のある地区の自治会長だったという男性は、施設の看護師らと話す機会が多かったといい、「丁寧な病院という印象がある」と話す。「80年近く住んでいるが、こんなに大きな事件は初めて」と不安そうに話していた。
一方、市は15日、事件現場から約200メートル離れた「上広谷児童館」を同日、臨時休館とした。同館は市が指定管理者に運営を委託している。こども支援課の担当者は「安全を考慮した」と話した。
市教委は同日朝、校門や昇降口の施錠などを改めて確認するよう市内13の小中学校の校長に通知。下校時は教職員が児童らに付き添ったり、交差点に立ったりして安全確保に努めた。
事件は市の防災行政無線でも周知された。市は午前10時ごろ「西入間署より、重要凶悪事件についてお知らせします」として市内全域に放送。「玄関や窓を施錠するとともに、不審者を見かけた際は110番通報をお願いします」と注意喚起した。市ホームページや交流サイト(SNS)でも周知した。










