おいしい、これ何で…来てくれた人、お店の人と気軽に話して 地域の人が集まる交流の場、桶川でお寺マルシェ 実行委員長「ハードルを低く、持続可能をもっと楽しく」
2025/10/12/11:36
お寺マルシェ実行委員長(上尾市) 横山法子さん
古くから寺院は地域の人が集まって交流をする場だった。その寺院で開くイベントは新しくもあり、懐かしくもある。11月1日、桶川市倉田の明星院で開催される「おけがわ お寺マルシェ」の実行委員長を務める横山法子さん(40)=上尾市=は「来てくれた人が『おいしい。これ何でできてるんだろう』と思ってくれて、お店の人と気軽に話してくれればいい」と話す。
テーマは「サステナブル(持続可能)をもっと身近に、もっと楽しく」。原材料にこだわった安心なグルメや五感を楽しむワークショップ、アフリカの遊びや音楽などに触れながら、食の安全やエネルギー問題にも自然と関心が持てるようになっている。
生まれ育った福島県南相馬市であの日、東日本大震災に遭った。東京電力福島第1原発で事故が起き、早い段階で千葉県の親戚のもとに自主避難をしたものの、翌朝のテレビで爆発の映像を見てパニックになった。「こちらではずっと報道されているのに現地の人は知らない。すごく変だった」。その違和感は「本当のことを知るためには自分で見る力、自分を守る力が必要」との思いになった。
「原発や健康に興味がない人に来てもらいたい。この先にどんな未来があるのかを、みんなで考えてシェアできればいいかなと思う」。反原発、脱原発を声高に叫ぶという強い運動ではない。命を守りたいと願う2児の母親だ。そして、震災の記憶をつないでいくことを大切にしている。「あの時、みんな大変だったと思う。どこにいてもドラマがあったはず。当たり前だと信じていたことが、当たり前でなくなることがある。そのことを忘れないようにしたい」










