埼玉新聞

 

地元に愛されたレストランが倒産…ミューズの「響」「彩」など運営のOECマルシェが破産開始決定 地産地消進める ブランド牛一頭買いの関連会社も連鎖 2社で負債1億8千万円 コロナで打撃 埼玉・所沢【倒産情報】

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    OECマルシェが破産開始決

  • 所沢市民文化センター ミューズの周辺図(国土地理院HPから)

    所沢市民文化センター ミューズの周辺図(国土地理院HPから)

  • 【地図】所沢市(背景薄緑)

    所沢市の位置

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 東京商工リサーチ埼玉支店によると、OECマルシェ(所沢市)と関連の合同会社所沢ミートセンター(同)は2日、さいたま地裁川越支部から破産開始決定を受けた。破産管財人には西里壮史弁護士(弁護士法人川越法律事務所、川越市)が選任された。

 負債総額はOECマルシェが約1億6千万円、合同会社所沢ミートセンターが約2千万円で、2社合計約1億8千万円。

 代表はフランス料理の料理人として東京都内の大使館などで経験を積んだ後、2002年に地元の所沢市内でフランス料理店を開業した。12年頃までフランス料理店を続けた後、13年に航空発祥記念館内にカフェレストラン「エコトコファーマーズカフェ」をオープン。また、その翌年には複合文化施設の所沢市民文化センター ミューズ内に「ミューズレストラン響」と「ミューズカフェ彩」をオープン。地元の新鮮な食材を使った料理の提供や、生産者と消費者をつなぐイベント開催など地産地消を推進し、16年12月期には売上高1億4300万円を計上した。

 しかし、新型コロナウイルス感染拡大によって各店舗は休業を余儀なくされ、21年3月1日には「ミューズレストラン響」と「ミューズカフェ彩」を閉店。21年12月期の売上高は9千万円にまで減少し採算も悪化していた。また、コロナ融資や補助金を活用してしのいでいたが、債務が膨らむ結果となり資金繰りはひっ迫。23年秋頃から休業、再開のめどが立たず、事業継続を断念し今回の事態となった。

 合同会社所沢ミートセンターは、地元ブランドの肉牛を一頭買いし、卸売、小売、ネット通販などを行っていたが、OECマルシェに連鎖した。

=埼玉新聞WEB版=

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