埼玉新聞

 

気球の紙すき168戸判明 太平洋戦争で日本軍が使った「風船爆弾」 埼玉・小川の郷土史家、内田さんが冊子発行 「二度と戦争に進まないために執筆」

  • 気球紙を張り合わせる原紙製造を担った小川町の埼玉和紙科学工業第二工場の関係者。左端に天日乾燥されている気球用原紙が見える(同書から)

    気球紙を張り合わせる原紙製造を担った小川町の埼玉和紙科学工業第二工場の関係者。左端に天日乾燥されている気球用原紙が見える(同書から)

  • 「風船爆弾と小川和紙業」を手にする内田康男さん

    「風船爆弾と小川和紙業」を手にする内田康男さん

  • 気球紙を張り合わせる原紙製造を担った小川町の埼玉和紙科学工業第二工場の関係者。左端に天日乾燥されている気球用原紙が見える(同書から)
  • 「風船爆弾と小川和紙業」を手にする内田康男さん

 小川町在住の郷土史家・内田康男さん(69)が、太平洋戦争で日本軍が使った紙製気球「ふ号兵器(風船爆弾)」に使われた気球紙と小川和紙についてまとめた「風船爆弾と小川和紙業」(A5判、121ページ)を発行した。気球紙は小川で開発された。詳細不明だった気球紙をすいていた戸数が168、従業員数が1215人と判明。内田さんは、なぜ戦争とは無縁の特産の和紙が兵器に利用されたのか、「(この歴史を)本書を通して後世へ伝えたい。二度と戦争に進まないために執筆した」と話している。

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