TDL、USJのチケット当たる…労組役員2人を書類送検、違反の疑い 参院選の候補者クイズを出し、回答者にオンライン署名させる 全国初の摘発 QRコードからクイズ表示、企業の組合で4900人加入 候補者は当選
7月20日に投開票が行われた参院選で、同月3日の公示日前後に労働組合の会報誌で候補者のクイズを掲載して回答者にオンライン署名させたとして、埼玉県警捜査2課などは21日、公選法違反の疑いで、県内に本社を置く企業の労働組合に所属する、いずれも50代の執行委員長と書記長をさいたま地検に書類送検した。
公選法では投票を得る目的で署名活動をすることを禁止している。クイズは紙に書き込んだり、掲載されているQRコードをスマートフォンなどで読み取り回答する形式で、県警はクイズが特定の候補者への投票行動を想起させ、回答の名目で名前を書かせた行為が署名活動に当たると判断した。捜査関係者によると、幸手署に情報提供があったという。
オンライン署名活動について、公選法の署名活動の禁止規定を適用した摘発は全国で初めて。
2人の書類送検容疑は共謀し、特定の候補者を当選させる目的で、会報誌に候補者に関するクイズを十数問掲載。回答者に紙やオンラインでの回答の際に署名をさせた疑い。2人は容疑を認めているという。捜査関係者によると、候補者は比例区で当選した。
同課によると、会報誌は「特別版」と題して発行された。労働組合には約4900人の組合員がおり、メールや紙媒体で配布された。特定の候補者の顔写真や政党名を掲載した上で経歴や政策などを問うクイズを出題し、正答数が多い20人に対して、東京ディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパンのチケット、食料品などの景品が当たるとしていた。企画は途中で中止になったという。
一方、県警は19日付で参院選取締本部を解散した。摘発は4件で、今回の事件の他に、インターネット掲示板で候補者に対して殺害を示唆する投稿を行った男を逮捕した事件や、候補者に対して手を当てる暴行を加えた男性、知人に候補者の氏名が書かれたメモを持たせて投票干渉した女性を書類送検した。警告は文書頒布違反など20件だった。










