元裁判所は憩いの空間 さいたまの常盤公園、2022年にリニューアル 散策道や芝生広場など広がる 周辺には人気のベーカリーカフェも
立ち並ぶ高層マンションや住宅地の中に、ぽっかりと開けた空間が広がる常盤公園。2022年に現在の形にリニューアルされ、散策道やジョギングコース、芝生広場、遊具、ボール遊び広場などがあり、市民の貴重な憩いの場となっている。
JR浦和駅西口から中山道に出て北に向かい、野菜売り女性の像がある市場通りへ左に曲がると公園の入り口が見えてくる。この辺りは、戦国時代から昭和初期まで2と7の付く日に月6回市場が開かれていた「二七市場」跡で、古くから文化の中心地の一つ。江戸時代は鷹(たか)狩りの休泊所御殿もあった。明治には、浦和地方裁判所が同所に建てられ、東入り口側にある、補修された赤れんがの門柱と塀に当時の名残が感じられる。
緑が多い散歩道の途中にある樹齢約100年の大きなクスノキはさいたま市の景観重要樹木。日差しの強い時期は涼しげな木陰を道に落とす。公園は緊急避難場所に指定されており、かまどベンチ、マンホールトイレなどの防災施設も備える。
公園の西側から出て左に行き、市役所通りを少し西に進むと、左手に人気のベーカリーカフェ「ベイクハウス イエローナイフ」がある。外国のように焼きたてパンを一日の始まりにしてほしいとの思いで、開店は朝6時。ボリュームのあるサンドイッチもそろえ、開店と同時に次々と訪れる客で店内はにぎやかに。お薦めは天然酵母で長時間発酵させた生地で作るサワードウブレッド。中がもちもちでかみ応えがあり、わずかに感じる酸味が、一緒に味わう食材も引き立てる。
パンに合うコーヒーもいい。今の時季はアイスコーヒー。苦味が爽やかで飲みやすい。またダブルエスプレッソのロングブラックはこくのある逸品。
店を出てそのまま西に歩くと、さいたま市役所の緑が見えてくる。東側が広場になっており、木陰にベンチを丸く配置。広場内には、誰でも自由に見ることができる市民ギャラリーがある。写真や絵画など、市民の作品を週替わりで展示しており、じっくりと鑑賞できる。
ギャラリーの出口には高い壁が築かれている。少し離れないと気付かないが、三つの大きな鐘が見える。トルーカの鐘だ。約45年前にメキシコ・トルーカ市から姉妹都市提携の記念に贈られたもので、今でも一日5回、定時に鳴り、異国の音を響かせている。
帰途は17号国道を渡った所のバス停から、JR浦和駅西口まで戻れる。もちろん、歩いてもOK。
【メモ】「ベイクハウス イエローナイフ」 午前6時~午後4時(売り切れ次第終了)。月・火曜休み。










