埼玉新聞

 

おいしくなーれ…久喜の学校給食センター、小中学生ら見学 普段入れない調理場で探検ツアー、給食への理解深める 千人分の汁物を一度に調理、回転釜を体験「ジャムおじさんになった気分」

  • わくわく探検ツアーで、回転釜に入った水をかき混ぜる子どもたち

    わくわく探検ツアーで、回転釜に入った水をかき混ぜる子どもたち=30日午後、久喜市立学校給食センター

  • わくわく探検ツアーで、回転釜に入った水をかき混ぜる子どもたち

 子どもたちに学校給食への理解を深めてもらおうと、久喜市立学校給食センターは7月30日、施設見学会「わくわく探検ツアー」を開いた。市内の小中学生とその保護者170人が参加。大勢の手でさまざまな工程を経て給食が提供されることを知った子どもたちは「好き嫌いせず、残さず食べたい」と話していた。

 同センターは市内の小中学校31校の給食を調理している。地場産食材を使った栄養バランスの良い献立が特徴で、昨年度の全国学校給食甲子園に県代表として出場するなど、評価も高い。

 探検ツアーは夏休みを利用して昨年度から始まった。この日はグループに分かれ、約1時間かけて普段入れない調理場内を巡回。栄養士や調理員による解説を聞きながら、厨房機器や道具類に触れた。

 一度に千人分の汁物を調理できる回転釜には水が入っており、子どもたちは長さ1・2メートルの杓子(しゃくし)ですくって食缶に入れる作業を体験。「おいしくなーれ」と言いながら水をかき混ぜていた小学3年生の加藤尚さん(8)は「アンパンマンのジャムおじさんになった気分。重くて大変だけど、楽しい」とにっこり。

 ほかにも模型のハンバーグを素早く鉄板に並べるゲームや、冷凍庫から流れてくるマイナス20度の冷気を浴びる体験、野菜の下処理にまつわるクイズなども行われた。

 「野菜スライサーの実演で、ダイコンがあっという間に刻まれて驚いた」と語るのは小学4年生の助川凪沙(なぎさ)さん(10)。探検ツアーを通じて給食に込められた思いを知り、「今度からは苦手なお肉も残さず、食べるようにしたい」と語った。

 市学校給食課の佐藤純子課長は「毎日食べている給食がどうやって作られているのか、その現場を子どもたちに知ってもらうのが目的。今回の経験を通じて、さらにおいしく給食を食べてもらえたら」と話していた。

ツイート シェア シェア