埼玉新聞

 

「埼玉暑すぎ」なので…入園料を無料にします 遊園地「むさしの村」で31日まで 予想最高気温が35度を超えた場合 夏は減る入場者「恐らく暑さが原因」 担当者は「短時間だけでも遊んでもらえるきっかけに」

  • 入園無料でむさしの村に入る人々=20日午後、加須市志多見のむさしの村

    入園無料でむさしの村に入る人々=20日午後、加須市志多見のむさしの村

  • 【地図】加須市(背景薄緑)

    加須市の位置

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 暑すぎて人が来ない―。そんな状況を打破しようと、加須市の遊園地「むさしの村」は31日まで、「埼玉暑すぎる割」を実施している。予想最高気温が35度を超えた場合、大人1200円、子ども600円、シニア650円の入園料を無料にするという大胆な企画で、暑さが続く夏場でも気軽に来園できるよう今年から始めた。担当者は「短時間だけでも遊んでもらえるきっかけになれば」と期待を込める。

 むさしの村は、未就学児から小学校低学年をメインターゲットとした屋外遊園地。乗り物のほか、野菜や果物の収穫体験ができる農園やふれあい牧場なども併設され、さまざまな体験が1日を通して楽しめる。

 暑すぎる割は、前日の午前11時、または午後5時に発表される気象庁の天気予報で、熊谷の予想最高気温が35度を超えた場合に適用される。

 同施設は、ゴールデンウイーク(GW)期間、1日で最大約5500人が来場するという。ただ、夏はほかの時季と比べて入場者数が下がる。同遊園地事業部サービス課の町井愛さんは「恐らく暑さが原因」とこぼす。

 同園によると、昨年7月の三連休初日の入場者数は684人。2日目と最終日は、雨の影響もあり、286人、461人と大幅に減少した。また、昨年5月に比べ、同7月の売り上げは8割減。昨年夏は過去最低だったという。

 一方で、今年は入園無料の効果が発揮された。19日の入場者数は864人、20日は1923人と増加。暑すぎる割に加え、取り組みがテレビで紹介されたことも要因とみられる。

 群馬県桐生市から来た前原洋二さん(38)は、テレビで入園無料を知り、妻と子どもと3人で来園。「暑いので普段はそこまで外には出ないが、入園無料なので来てみた」と語る。「こういう取り組みがあれば積極的に使いたい」と歓迎した。

 千葉県船橋市の三浦英剛さん(45)は「お財布に優しい」と口にする。妻と小学2年の息子と来園したが、入園無料は知らなかったという。「無料はうれしい。得した気分」と笑顔を見せた。

 同園はリピーター客も多いという。町井さんは「夏ならではの楽しいイベントもたくさんある。入園無料をきっかけに、まずはむさしの村を知ってもらい、秋のサツマイモ掘りや冬のイチゴ狩りなど、四季折々の楽しみを見つけてほしい」と願う。

 詳しくは、同園ホームページへ。

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