埼玉新聞

 

ゴーンと爆音、吹き飛んだガラス片…女性助教が負傷、埼玉大学で爆発 混合ガスボンベを調整中に 1階にある複数の窓、爆風で飛び散る「学生が走り回っていた」

  • ガラス片が散らばった爆発現場を調べる警察官ら=9日午後1時ごろ、さいたま市桜区の埼玉大学

    ガラス片が散らばった爆発現場を調べる警察官ら=9日午後1時ごろ、さいたま市桜区の埼玉大学

  • ガラス片が散らばった爆発現場を調べる警察官ら=9日午後1時ごろ、さいたま市桜区の埼玉大学

 9日午前11時20分ごろ、さいたま市桜区の埼玉大学で、同大学の教授から「実験中にボンベが爆発した」と119番があった。同大学や浦和西署によると、爆発があったのは大学内の工学部実習工場・研究実験棟付近で、爆発の影響で実験を担当していた30代の女性助教が頭部や腕にけがを負い救急搬送された。搬送時に意識はあり、命に別条はないという。

 同署などによると、爆発の直前には女性助教と工学部の学生3人が熱エネルギーの測定実験を行っており、終了後に屋外で作業していたところ、実験で使用していた酸素とアセチレンの混合ガスボンベが何らかの原因で爆発したとみられる。爆発の影響で、付近にある建物の1階の窓が複数割れたという。他にけが人はいなかった。同署が詳しい経緯や原因を調べている。

■現場にガラス片散乱

 爆発のあった埼玉大学の構内にはパトカーや消防車、救急車が複数台止まり、物々しい雰囲気。爆発が起きた現場では爆風により割れたとみられるガラス片が散らばり、付近を警察官らが調べていた。

 埼玉大学広報渉外課によると、爆発したのは午前11時15分ごろ。工学部実習工場・研究実験棟で燃焼系の実験後、実験に立ち合っていた女性助教が何らかの事情で1階に降り同棟南側の外壁に設置されているガスボンベを調整する作業の際に爆発したという。爆発で向かい側の建設系の実験棟のガラスが吹き飛んだ。

 実験していた建物にいた50代の男性職員は「『ゴーン』という音がした。普段からコンクリート破断の実験を行っているので、その音かと思ったが、様子を見に来たら学生が走り回っていた」と回想。工学部の20代男子学生2人は昼過ぎに現場に来たら救急車が来たり、規制線が張られていて、驚いたという。「僕たちもガスを使った実験をすることが多いので気を付けないといけないと改めて感じた」と声をそろえた。

 埼玉大学の坂井貴文学長は「深くおわび申し上げます。原因は調査中ですが、再発防止、安全管理の徹底に努めてまいります」とホームページにコメントを出した。
 

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