<高校野球>139チーム参加し9日開幕の選手権埼玉大会 36年ぶり頂点を狙う市川越 シード校戦力分析【3】
第107回全国高校野球選手権埼玉大会は9日、139チーム(153校、連合4チーム)が参加して開幕する。2年ぶりの栄冠を狙う浦和学院と初の甲子園出場を目指す叡明がAシード。春季県大会4強の川越東と市川越がBシード、前回覇者の花咲徳栄など、同8強がCシードに入った。昨秋の県大会で準優勝した西武台、同4強の山村学園のほか、上尾、伊奈学園など公立勢もDシードから頂点を狙う。目前に迫る大会に向けてラストスパートをかける16強の戦力を、組み合わせ順に4回に分けて分析する。
■競争力増し成長期待/Bシード・市川越
秋季大会は西部地区代表戦で敗れたが、春季大会は4強に進出し躍進した。川越商時代の1989年以来、36年ぶりの頂点を狙う。室井監督は「主力を欠いた春の大会でチームの競争力が増した。守備からリズムをつくる」と成長した選手らに期待する。
秋以降は投手力を強化してきた。エース右腕玉井が投手陣をけん引。玉井は打たせて取るタイプ。制球力に磨きをかけ、スタミナを強化。最速140キロの右腕森村、左腕栗本ら他の5投手がエースの負担を軽減する。
打線は出塁率が高い中村が1番を担う。長打力のある3番森とけがの影響で春季県大会に出場機会がなかった4番斎藤は勝負強さが光る。7番森村のパンチ力も魅力だ。各選手が複数のポジションを守ることが可能で、戦略の幅を広げる。
▽予想オーダー
1 中村(右)
(2)篠(中)
(3)森(遊)
4 斎藤(三)
(5)山田(一)
6 森村(左)
7 玉野(捕)
8 橋本(二)
9 玉井(投)
※(数字)は左打者
【春季地区大会】
▽代表戦 13―2 坂戸西(六回コールド)
【同県大会】
▽2回戦 8―1 川越工(八回コールド)
▽3回戦 8―1 市浦和(八回コールド)
▽準々決勝 4―2 早大本庄
▽準決勝 1―2 叡明
■実績重ねさらに上へ/Cシード・早大本庄
秋季大会16強、春季大会8強と実績を重ね、さらに上を目指す。基礎体力の強化に務めてきた選手が一戦一戦集中して挑む。福永監督は「シード校という意識はない。技術的なことよりも身体能力の向上を図った」と力を込める。
エース右腕田中が投打の中心。秋に最速143キロを計測した。スライダー、チェンジアップなど変化球を駆使し、要所でギアを上げていく。打っては長打力を秘め、クリーンアップを務める。巧みなバットコントロールで鋭い打球を放つ。
福永監督がWエースと期待を寄せる左腕岡安は緩急を使い勝負する。身長178センチから角度のあるボールを投げ込む。打線は3番渡辺が広角に打ち分ける。左打者が多く7番佐藤は両打ち。上位から下位まで遜色ない打者がそろう。
▽予想オーダー
(1)根岸(右)
(2)酒井(三)
3 渡辺(一)
(4)岡安(左)
5 田中(投)
(6)戸川(遊)
○7 佐藤(二)
8 奥山(捕)
(9)野原(中)
※丸数字は左打者、白抜き数字は両打ち
※(数字)は左打者、○数字は両打ち
【春季地区大会】
▽代表戦 8―0 北本(七回コールド)
【同県大会】
▽1回戦 4―2 細田学園
▽2回戦 6―2 富士見
▽3回戦 6―4 聖望学園
▽準々決勝 2―4 市川越
■心機一転で快進撃を/Dシード・西武台
1988年以来2度目の甲子園出場へ手応えは上々だ。簡単な相手はいないが、勝ち上がりながら勢いを加速させるため、投手は分業制を採用する。中心は最速143キロの右腕吉良だが、技巧派左腕の加藤、春季大会はベンチ外だった182センチ左腕追木らが控える。
打線ではチームプレーを徹底できる好打者の1番今沢、春季大会3回戦の川越東戦で一発を放った4番の田代が軸。河野監督は「日替わりで7番にキーマンを置く」と戦略に幅を持たせ、切れ目のない打線を組む。
今大会は夏限定のユニホームを新調した。ローマ字表記だった胸の「SEIBUDAI」を甲子園に出場した当時と同じ漢字の「西武台」に変更。「OBの方々の力強い後押しを受けたい」と思いを込め、心機一転、快進撃を狙う。
▽予想オーダー
1 今沢(二)
2 金(捕)
3 内藤(左)
(4)田代(三)
5 山本(右)
6 村上(遊)
7 古川(一)
8 吉良(投)
9 斉藤(中)
※(数字)は左打者
【春季県大会】
▽2回戦 6―1 春日部
▽3回戦 2―7 川越東
■主軸の出来が鍵握る/Dシード・山村学園
今年のドラフト会議で注目を集めるであろう主軸横田の活躍がチームの成績を左右しそうだ。岡野監督は「いかにチャンスで横田に回すか」と包み隠さずに主将の名前を挙げる。個性豊かな選手たちを適材適所で起用し、見ている人たちが面白いと思える野球を目指す。
3番横田の後ろには、監督が「チームで2番目にいいバッター」と話し、勝負強さが光る2年畠山を4番に配置する。守備力が魅力の1番磯は打撃も成長し長打力を秘め、2番門田は後続へのチャンスを演出する。
投手陣も枚数をそろえる。エース右腕横田を軸に、下級生にも140キロ超えが並ぶ。力強い直球の2年右腕菊村と、切れ味で勝負する2年右腕の浜本。1年島本もセットアッパーとして控える。疲労を考慮した「マシンガン継投」に注目だ。
▽予想オーダー
1 磯(三)
(2)門田(二)
(3)横田(遊)
(4)畠山(中)
(5)松本(左)
6 小谷野(一)
(7)宮本(右)
8 三木(捕)
(9)菊村(投)
※(数字)は左打者
【春季県大会】
▽2回戦 9―0 滑川総合
▽3回戦 2―14 花咲徳栄(七回コールド)










