大宮駅西口駅前が埼玉で最高価格 1平方メートル当たり592万円で4年連続の上昇 埼玉県内の路線価 2番目は浦和駅西口駅前、再開発の期待感から上昇
関東信越国税局は1日、相続税や贈与税の税額を算定する際の基準となる2025年分(1月1日現在)の県内路線価を公表した。県内全域の平均変動率は前年比プラス2・1%と4年連続で上昇した。現在の算定方法に変更された10年以降、最高の伸び率となった昨年と同水準だった。
路線価は、宅地の価額がおおむね同一と認められる一連の宅地が面する路線ごとに付した1平方メートル当たりの標準価額。毎年1月1日時点の公示地価の80%程度をめどに算定される。
県内の評価対象地点は15税務署管内の標準宅地1万5998地点。各税務署別の最高路線価の対前年変動率は川越、浦和、大宮、川口、東松山など計11署で上昇。熊谷、行田など4署で横ばいだった。昨年同様に下落はなかった。
みつば総合鑑定所(春日部市)の不動産鑑定士三田和巳氏は「住宅地では生活利便性に優れた県南部の需要が堅調。住宅取得支援施策などによる需要の下支え効果もあり、川口や朝霞、草加市など県南部を中心に都内からの波及効果がみられる」と分析した。一方で県北西部には高齢化や少子化が進む地域もあり、「需要は限定的」とした。
最も価格が高かったのは、オフィスや商業施設が集積する大宮駅近くの「大宮駅西口駅前ロータリー」(さいたま市大宮区桜木町2丁目)で、1平方メートル当たり592万円。変動率は前年比プラス0・5ポイント増の11・9%で、4年連続の上昇となった。1992年の調査開始以降、同局管内6県(埼玉、茨城、栃木、群馬、新潟、長野)で34年連続の最高価格を記録した。
2番目に高かったのは、JR浦和駅西口の「浦和駅西口駅前ロータリー」(さいたま市浦和区高砂1丁目)の256万円。周辺で進む再開発事業の期待感から変動率は同比0・8ポイント増の10・8%だった。3位はJR川口駅東口の「駅前産業道路」(川口市栄町3丁目)の222万円。変動率は同比5・8ポイント増の8・8%と上位3路線で最も大きかった。上位3路線の順位は4年間変わっていない。
商業地は公示地価同様にさいたま市の再開発による利便性や繁華性の進展が期待される地域、川口市などマンション用地と競合する都内近郊エリアで上昇幅が拡大した。
全国の路線価は国税庁ホームページで公開している。










