埼玉新聞

 

<新型コロナ>イタリア野菜で飲食店を応援 注文激減の深谷の野菜農家、販路失った新鮮野菜を無償提供

  • 取りに来た飲食店に野菜を提供する力丸敦夫さん(中央)=29日午後、深谷市の深谷中央青果市場

 深谷市の野菜農家が29日から、週に1度、市内飲食店にイタリア野菜の無償提供を始めた。実施期間は約2カ月で毎週金曜日午後2時から、同市稲荷町3丁目の深谷中央青果市場内サードセレクションテント内で配布する。

 同市前小屋で力丸農園を営む力丸敦夫さん(41)は3年前からイタリア野菜をメインに生産。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大防止で契約先からの注文が激減したという。そこで日頃から世話になっている飲食店に生産者だからできる支援として販路を失った新鮮野菜を無料で提供し、飲食店を応援することにした。同市と市内青果市場内販売所、飲食店と連携して開始した。

 初日は、力丸農園など計3農園がズッキーニやピーツ、カリーノケール、カラフルミニトマト、紫タマネギの5種類を提供。事前に申請のあった12店舗のほか、野菜の提供を聞きつけた数件の飲食店も訪れた。

 野菜の提供を受けたい人は、会員制交流サイト「フェイスブック」のグループ「生産者から飲食店へ応援企画ふかやのやさいびとおくりもの市場」の参加が必要。週の始め生産者から提供できる野菜の品目が投稿され、利用を希望する人はコメント欄に受け取り日前日の昼までにエントリーする。ただし1店舗2セットまで。協力したい生産者も募っている。

 野菜を受け取りに来た同市石塚の「ごはん亭家蔵」の責任者、間宮勉さん(36)は「これからという時に無償の提供を聞き活力になりました。品目を増やして地域を盛り上げていきたい」と話していた。力丸さんも「困った時はお互いさま。思ったより反応が良く、たくさんの飲食店の人と知り合って野菜を通して市内で楽しめるまちづくりに貢献したい」と利用を呼び掛けている。

 問い合わせは、力丸さん(電話090・7427・9557)へ。

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