帝国データバンクによると、白鳥菓子工房（埼玉県越谷市）は、24日までに事業を停止し、債務整理を石河秀夫弁護士（石河綜合法律事務所、越谷市）に一任、自己破産申請の準備に入った。負債は約1億6000万円。

　同社は、1991年9月創業、96年7月に法人改組された菓子の製造・小売業者。「キャトーズ・ジュイエ」の店舗名でフランス菓子店を運営し、越谷市を中心に6店舗ほどを展開していた。代表の渡仏経験を生かした本格的なフランス菓子を数多く手がけ、ケーキやクッキーをはじめとした焼き菓子が中心で、代表自身が数々のコンクール入賞経験があったほか、メディアで取り上げられることも多く、知名度の高い菓子店として人気を博し、2016年6月期は年売上高約2億700万円を計上していた。

　しかし、従前より収益性が低く利益は僅少域にとどまることが多かったほか、多店舗展開によって有利子負債が膨らみ、余裕のない資金繰りが続いていた。その後コロナ禍で打撃を受けたなか、原材料価格の高騰が追い打ちをかけ近年は一層厳しさが増していた。このため、資産売却をはじめ合理化を進める一方、借入金の返済猶予を受けるなどしてしのいでいたものの、資金繰りの悪化から事業継続が困難となり、今回の事態となった。

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