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コーワが民事再生法の適用申請へ 負債約29億4千万円 埼玉・狭山 子会社も連鎖 【倒産情報】

  • 【地図】狭山市

    狭山市の位置

  • コーワ本店の外観(帝国データバンク提供)

    コーワ本店の外観(帝国データバンク提供)

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  • コーワ本店の外観(帝国データバンク提供)

 帝国データバンクによると、建築資材卸のコーワ(狭山市)と、子会社のオーシャンポリ(杉戸町)は、23日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。

 負債は、コーワが債権者約161人に対し約29億4458万円。オーシャンポリが2024年12月期末時点で約7億4000万円だが、今後変動する可能性がある。

 申請代理人は山川萬次郎弁護士(山川・藤原法律事務所、東京都千代田区)ほか4人。監督委員には、村上寛弁護士(弁護士法人大江橋法律事務所東京事務所、東京都千代田区)が選任されている。

 コーワは、1996年1月に設立された建築資材の卸売業者。狭山市の本店のほか、東京支店を構え、商業施設や住宅向けのベニヤ、化粧合板、フローリング材などを扱うほか内装工事も手がけ、埼玉、東京を中心とした全国の内装工事業者、総合不動産業者、材木店などに販売。2018年には宮崎工場(宮崎市)を開設してポリ合板の製造加工も開始し、19年12月期には年売上高約41億300万円を公表していた。

 しかし、その後は新型コロナの影響などから業績が低迷。23年3月には建築資材の卸売事業を縮小させ、貨物自動車運送業に注力したことから24年12月期の年売上高は約24億円にダウンしていた。この間、取引先の支援に充てた実質的な貸付が増大するなど、財務も悪化していたなか、資金調達が困難な事態となっていた。

 オーシャンポリは、19年2月に都内の建築資材卸売業者の事業を承継する目的でコーワの出資により設立された。ポリエステル化粧板を扱い、主にコーワから仕入れて建材商社などに販売。24年12月期には年売上高約22億円を計上していたが、コーワに連鎖した。

 27日に取引先向けの説明会が開催される予定。

=埼玉新聞WEB版=

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