さいたま市大宮区の自宅マンションで2018年1月ごろ、女性を殺害したとして、県警捜査1課などは16日、殺人の疑いで、さいたま市大宮区寿能町2丁目、無職の男（31）を再逮捕した。県警が別の窃盗事件で自宅を捜索したところ、頭蓋骨を発見して事件が発覚した。男は「合意の上で殺した」「小さい頃から殺人願望のようなものを抱いていた。動機は単純な殺意そのもので、他に何の理由もない」と供述しているという。

　再逮捕容疑は18年1月4日ごろ、自宅マンションの一室で、茨城県の職業不詳女性＝当時（21）＝の首を絞めるなどして殺害した疑い。

　捜査1課によると、昨年8月に大宮区内で発生した別の窃盗事件の捜査過程で男が浮上。今年5月15日に窃盗容疑で逮捕して、自宅を捜索し、ガラスケースの中に置かれていた頭蓋骨を発見した。殺害をほのめかしたことから押収。DNA鑑定などの結果から、女性の遺体と特定した。遺体は自宅前のごみ捨て場に捨てた旨の供述をしている。

■容疑者の父親「すみません」

　7年前に行方不明となっていた女性＝当時（21）＝を殺害したとして、さいたま市大宮区の男（31）が逮捕された殺人事件。男が住んでいたマンションは県道に面した住宅街で、近隣住民は事件を知り、「びっくりした」「全く分からなかった」と驚きを隠せない様子だった。

　同じマンションに住む女性（75）によると、この家には両親と3人で暮らしており、男については「あいさつ程度だったが、爽やかで良い感じの人だった」と話す。ゴールデンウイーク明けから男宅前には常時警察官が立っていたといい、鑑識作業をしていた警察官もいたという。事件を知り、「近所でこんなことがあってびっくり」と不安そうに語った。

　息子が男と同級生という別の女性は、男の両親とも仲が良かったという。男とはあいさつをする程度だったが、「優しそうで礼儀正しい人だった。そんな感じの人じゃないのに」と話した。

　男の父親は自宅で報道陣の取材に応じ、「いろんな方に迷惑をかけてしまって、混乱していて悲しい気持ち。全く分かりませんでした。すみませんでした」と声をすぼめて話していた。

　一方、被害者の親族は16日、県警を通じて、「突然の知らせを受け、いまだ受け止めきれない気持ちのままです。娘は真面目で周りの人の気持ちを思いやる優しい気持ちを持っている子でした。私たちにとってかけがえのない娘です」などとコメントを出した。