男子中学生が刺される…足をシャープペンで 吃音あり国語教諭がまね、執拗に音読させ笑う 第三委「いじめ発生の一因」 同級生に体育の掛け声、音楽の歌い方をからかわれ卒業…情報共有しない市と教諭を提訴
2025/06/13/13:15
桶川市教育委員会は、市立中学校に2019~21年度に在学していた男子生徒へのいじめについて、第三者委員会の調査報告書を公表した。市教委が23年8月、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と認定していた。報告書は、吃音(きつおん)の症状があった元生徒に対して、国語教諭がまねをして笑うなどしていたことから「教員の不適切な言動もいじめが発生した一因」と指摘している。市教委は「報告書を真摯(しんし)に受け止め、再発防止に努める」としている。
弁護士、公認心理師らで構成する第三者委は23年8月から昨年7月まで、当時の校長、教諭、生徒らに個別の聞き取りを行い、事実関係を調査、今年2月までに10回にわたって協議を重ねた。
報告書によると、元生徒は同級生たちから体育の授業中の掛け声や音楽の時間の歌い方などをからかわれたり、シャープペンシルで足を刺されるなど複数回のいじめを受け、その後不登校になった。また1、2年時の国語教諭が授業中に、執拗(しつよう)に元生徒を指名し、吃音で言葉に詰まる音読を笑うなど不適切な言動をしていた。
学校の対応、市教委の問題点についても指摘。元生徒の母親が当初相談した学務課と、本来生徒のいじめ対応などを行う学校支援課の連携ができず、情報共有もされていなかった。報告書では「スクールソーシャルワーカーなどの協力を得て本人、保護者、学校、市教委が一丸となって、いじめ問題解決に当たることもできた」としている。
国語教諭の不適切な言動や行動については、精神的苦痛を受けたとして、元生徒と家族が市と教諭に対し、慰謝料など約4400万円の損害賠償を求め、さいたま地裁に提訴している。










