埼玉県内の5月倒産は29件 5カ月ぶりの20件台 負債10億円超の大型倒産が2件 小規模倒産が大半 「零細企業がコロナ融資の返済に窮して事業継続を断念するケースが一定数」と分析
帝国データバンク大宮支店が4日発表した2025年5月度の県内企業倒産集計(負債額1千万円以上の法的整理)は、前年同月比7件(19・4%)減の29件、負債総額は同9億5200万円(33・2%)増の38億1800万円だった。負債総額は増加傾向にあるが、倒産件数が20件台となるのは24年12月の23件以来、5カ月ぶり。依然として小規模倒産が大半を占めるが、10億円超の大型倒産が2件発生した。
業種別で分類可能な8業種中、「製造業」「小売業」「運輸・通信業」の計3業種で増加。一方、減少は「建設業」「卸売業」「サービス業」の計3業種、横ばいは「不動産業」「その他」の2業種だった。
件数では、建設業が前年同月比3件減ながらも8件(構成比27・6%)で最多。サービス業が2件減の7件(同24・1%)、製造業が1件増の6件(20・7%)で続いた。建設業が最多となるのは今年1月以来4カ月ぶり。卸売業は6件減の2件と大幅に減少した。昨年に続き、不動産業の倒産はなかった。
負債額の規模別では、1千万円以上5千万円未満が21件(同72・4%)と最も多く、次いで、5千万円以上1億円未満が4件(同13・8%)。10億円以上の大型倒産が今年2月以来3カ月ぶりに発生した。リブディング(さいたま市浦和区、負債総額11億5千万円)とプラスアルファ(川口市、同10億8900万円)の2件(同6・9%)となり、いずれも建設業だった。
要因別では販売不振が26件(同89・7%)と相変わらず大半を占めた。経営者の病気・死亡による倒産が2件(同6・9%)で続いた。業歴別では30年以上が7件(同24・1%)でトップ。次いで、3年以上5年未満が6件(同20・7%)、5年以上10年未満、20年以上30年未満がそれぞれ4件(同13・8%)となった。
同支店では、小規模倒産が大半を占める背景として「元々企業体力の弱い零細企業がコロナ融資の返済に窮して事業継続を断念するケースが一定数存在する」と分析。物価高や人手不足といったリスク要因や米トランプ関税の影響で「当面、企業倒産が減少に転じることは予想しづらく、月平均30件台後半の水準が続くだろう」と見通した。










