埼玉新聞

 

「クレヨンしんちゃん」に登場のスーパーのモデルも閉店、不便さ指摘する声も多数…春日部駅東口に新拠点 官民連携、全国的にも珍しい複合施設 10日にグランドオープン

  • スーパーを核に飲食店やハローワークなどが入る複合施設「コープかすかべテラス」

    スーパーを核に飲食店やハローワークなどが入る複合施設「コープかすかべテラス」=春日部市粕壁東1丁目

  • スーパーを核に飲食店やハローワークなどが入る複合施設「コープかすかべテラス」

 春日部市粕壁東1丁目の旧春日部市商工振興センター跡地に整備が進められていた複合施設「コープかすかべテラス」が完成し、10日にグランドオープンする。東武線春日部駅東口のにぎわい創出を目指し、市や埼玉労働局、生活協同組合(生協)コープみらいが連携。スーパーを核に飲食店やハローワークなどが入り、東口周辺の買い物難民を解消する拠点施設として期待されている。

 市によると、テラスは東口徒歩7分の立地で、約4200平方メートルの敷地に立つ3階建ての複合施設。1階にスーパーや飲食店など、2階には春日部労働基準監督署、フィットネスクラブ、クリニックなど、3階にはハローワーク春日部が入り、順次オープンする。駐車場は147台、駐輪場は193台。市が貸し付けた土地に、跡地活用事業者に選ばれたコープみらいが建築する定期借地権方式を採用している。契約期間は昨年2月から30年。この手法で整備された自治体、民間、国の3者合同による複合施設は全国的にも珍しいという。

 跡地活用に向けて2018年度から、地元商店会、自治会、商工会議所が参加する意見交換を重ねてきた。その中で自治会側から「東口は駅から離れた住宅街にスーパーがなく、買い物のために西口まで行かなくてはならない」など不便さを指摘する声が多く寄せられていた。

 昨年11月には、アニメ「クレヨンしんちゃん」に登場するサトーココノカドーのモデルで、西口の商業をけん引してきた総合スーパー「イトーヨーカドー春日部店」が閉店。市は中心市街地活性化の拠点施設として、テラスに期待を寄せる。5月22日の定例会見で、岩谷一弘市長は「東口は寂しい状況が続いていた。拠点となる施設ができたのはありがたい」と述べた。

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