新紙幣への両替を受け付けるなどとうそを言い、顧客から現金をだまし取ったとして、埼玉県警は4日、詐欺の疑いで、群馬銀行元行員の男（25）を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。

　男は昨年、同様の手口で16の個人や法人顧客から合計5535万円をだまし取っていたとして、同行を懲戒解雇になっていた。

　男は昨年9月3日、深谷市の男性（62）に対して「新紙幣への両替のノルマがある」「両替を無料で受け付ける」などと虚偽の説明を行い、男性から50万円をだまし取った疑いが持たれている。

　同行の発表などによると、男は深谷市の深谷支店兼深谷上柴支店の渉外係として勤務。昨年8月13日～9月3日の間、同様の手口で現金をだまし取っていた。顧客からの問い合わせで発覚し、調査を行った上、刑事告発していた。

　新1万円札の肖像となった実業家の渋沢栄一は深谷市出身。男は同行の調査に対して、「話題にしやすかった」とし、ギャンブルに使ったと話していたという。