埼玉新聞

 

バスに置き去り…生徒が30分、県立10校で降車時の名簿確認せず 車内点検も不十分「出発を急いで」

  • 送迎バスに生徒30分置き去り 県立特別支援学校で

 県教育局は19日、加須市の県立騎西特別支援学校で18日に送迎バスで登校した中学部の生徒1人の降車を確認せず、バスに乗せたまま約30分にわたり所在が分からなくなっていたと発表した。生徒は営業所に回送するバスの中で発見され、健康状態に異変はなかった。乗務員が行う降車時の名簿確認をしておらず、当日は車内点検も十分に行われなかった。

 同局特別支援教育課によると、バスには児童生徒27人が乗車し、午前9時に同校に到着。学級担任が該当生徒を確認できず、校内を捜索した。バスは同20分ごろに営業所へ出発。学校から車内の再確認の依頼を受け、同30分ごろ、後ろから3列目の席で眠っている生徒を運転手が発見した。

 県とバス運行業者の関東自動車(さいたま市浦和区)間の契約では、乗務員が乗降時の名簿確認と車内点検をすることになっていた。しかし同局が確認したところ、同事業者がバスを運行する県立学校10校全てで降車時の名簿確認をしていなかった。また、降車後の車内確認で生徒を見落とし、同課は「校外行事のため出発を急いでおり、確認が不十分になった」と説明した。

 今後は全ての県立特別支援学校に緊急点検と安全対策を指示し、バス送迎に関するマニュアルを作成する。

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