「時代に合わせ適切に」 埼玉県立高校での校歌指導 3校で配慮に欠ける指導行為が確認 昨年度末に各学校に指導→配慮に欠けた指導は改善
2025/05/22/11:05
埼玉県立浦和高校で新入生に対し高圧的な校歌指導が行われていた問題で、日吉亨教育長は21日、定例会見で「校歌指導は伝統とはいえ、今後は時代に合わせて適切な指導を行っていく」と話した。
県教育委員会が行ったアンケート調査では、2022~24年度の3年間に校歌指導が行われた学校は浦和、川越、熊谷、春日部、川越女子、不動岡、松山、越谷北の8校。うち浦和、川越、松山の3校では、上級生が新入生の近くで大声を出すのは高圧的な指導ではないか▽時代の流れとともに変えていくべきではないか▽新入生やその保護者に校歌指導の意義をしっかり伝えてほしい―など、生徒や保護者から指導方法の改善を求める意見があった。
校歌指導は上級生が新入生に対して行っており、配慮に欠ける指導行為が確認された3校では、応援団が指導を担当していた。教員もその場に立ち会っていたが、生徒主導の行事であることを理由に目立たないようにしていたという。日吉教育長は「上級生といえど生徒が伝統の指導方法を変えることは難しく、教員の介入が必要だったのではないか」と認識を示した。
自身も22年に浦和高校の校長を務めており、「自分が在職していた1年で意見を頂いた記憶はなく、当時問題意識を持っていたわけではない。今の時点で考えれば、校歌指導に立ち会って指導するべきだったと感じている」と述べた。
昨年度末に各学校に指導し、本年度から配慮に欠けた指導は改善されたという。日吉教育長は「校歌指導は学校への帰属意識などを育む必要な指導。時代の状況に合わせて具体的な方法を毎回検討し、適切な指導を行う」とした。










