埼玉新聞

 

大宮に新しい大型複合施設誕生へ 2027年の開業目指し、建設工事始まる 商業棟やオフィス棟など5棟 鉄道博物館や大宮駅との連携で「鉄道のまち大宮」の新たなランドマークを目指す 大宮駅西口の桜木駐車場跡地

  • 仮囲いされ、重機による作業が進む建設予定地=13日、さいたま市大宮区

    仮囲いされ、重機による作業が進む建設予定地=13日、さいたま市大宮区

  • 仮囲いされ、重機による作業が進む建設予定地=13日、さいたま市大宮区

 さいたま市大宮区桜木町の市営桜木駐車場跡地に2027年の開業を目指している大型複合施設(名称未定)の建設工事が始まった。大宮駅西口から徒歩約10分の施設は、商業棟やオフィス棟などメインの建物5棟から成り、総床面積は約3万平方メートル。隣接する鉄道博物館や大宮駅との連携で「鉄道のまち大宮」の新たなランドマークを目指す。

 施設は幸福感や満足感を意味する「Well-being(ウェルビーイング)」をキーワードに、周辺地域の生活、文化、コミュニティーの新たな価値創出を図る。商業棟にはスーパーや医療モール、オフィス棟にはシェアオフィスや地域交流スペースなどを計画。ほかにも結婚式場やフィットネスジムが単独で建てられる。

 南西側の「電車ひろば」には鉄道車両などを展示。新幹線停車駅である大宮駅から近い立地を生かし、東日本各地で採れたての生鮮食材を新幹線輸送し、施設内のレストランなどで提供する。

 屋根付きの2階建て駐車場棟は約200台分の駐車スペースを帰宅困難者の一時避難場所として開放。非常用トイレやかまどベンチなども整備し、地域防災にも貢献する。

 さいたま市は23年1月、大宮駅周辺のまちづくりを進め、人々が集まり交流する東日本の対流拠点として市有地の活用を図ろうと、桜木駐車場用地の公募型プロポーザルを実施。24年3月に優先交渉権者の大和ハウス工業北関東支社(さいたま市中央区)、大和ハウスリアルティマネジメント(東京)、JR東日本(同)の3社で構成するコンソーシアムと基本協定を締結した。

 コロナ禍を経て人手不足や資材価格上昇に伴う建設費の高騰が懸念されるが、大和ハウス工業の担当者は「当社グループの集中購買や建設DX(デジタルトランスフォーメーション)技術を駆使して計画通りに進めている」、JR東日本も「地域の皆さまに喜んでいただける施設となるよう、鉄道博物館との連動企画も考えたい」としている。

 施設は27年春の竣工(しゅんこう)、同年内の開業を目指している。

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