「防災拠点となる市役所で火災、遺憾」 埼玉・白岡市役所で火災 築33年の庁舎、スプリンクラーはなかった 業務再開の見通し立たず 1階の1300平方メートルを焼く GW最終日の夜に出火を確認 きょう8日以降、行政サービスは
6日午後11時20分ごろ、白岡市千駄野の白岡市役所本庁舎から出火、鉄筋コンクリート地上4階地下1階の建物で、火災により1階部分約1300平方メートルが焼けた。けが人はないという。久喜署と消防が出火原因を調べており、8日も現場検証が続く予定。
同署や消防によると、6日午後11時20分ごろ、火災を検知した警備会社から119番。消防が庁舎警備員室に連絡し、警備員から「1階から白煙が上がっている」と出火を確認した。埼玉東部消防組合の消防車20台が消火に当たり、火は7日午前5時10分ごろ鎮火。類焼はない。出火当時、警備員2人が庁舎内にいた。6日午後10時ごろ、見回りをしたという。
市によると、庁舎南側1階の市民課、税務課付近の外壁が黒く焦げ、強く燃えている様子がうかがえるという。市は7日、警察と消防による現場検証を優先し、職員は中に入れず。電源が消失したこともあり、本庁舎以外で行われる一部のサービスを除き、業務を全て停止した。
本来、災害拠点となる市役所が火災により機能を失った。7日朝に開かれた会見で、藤井栄一郎市長は「市民、関係者に多大な迷惑をかけ、大変申し訳ない。防災拠点として機能しなければならない市役所で火災が発生したことは大変遺憾」と謝罪した。
庁舎は1992年に建設、今年築33年。耐震基準はクリアしているが、スプリンクラーは設置されていなかった。延べ床面積約7697平方メートル。1階部分2247平方メートルのうち半分以上が燃えた。防火設備がある部屋に戸籍などを収容し、電子データはバックアップがあるとされるが、被害は把握できていない。
市幹部は会見で、職員が庁舎内の被害状況を確認できていないことから「庁舎の焼損の程度が分からない。(業務再開の)見通しを申し上げることはできない」と繰り返した。市は隣接する生涯学習センター「こもれびの森」を拠点に復旧、行政サービスの再開に向けた検討を進める。
8日以降、行政サービスは、住民票や印鑑証明の発行などコンビニエンスストアや本庁舎以外で対応が可能なものに限定される。電話は代表電話を転送し、受け付けている。
同センターと市役所近くの保健福祉総合センター「はぴすしらおか」に臨時窓口を開設。主に相談業務を受け付ける。業務の再開などに関する情報は、市ホームページで広報、随時更新する。