埼玉新聞

 

通行止め…秩父中津川で土砂崩れ 道ふさぎ復旧の見通し立たず 電線切れ停電、基地局止まり携帯電話が不通

  • 大滑ロックシェッドを直撃した土砂=13日、秩父市中津川地内(市提供)

 13日の午前6時半ごろ、秩父市中津川で土砂崩れが発生して県道210号をふさいでいるのを地元住民が発見し、県秩父県土整備事務所に連絡した。県や市などによると、崩落場所から南側の秩父市街方面の県道入り口から12・4キロが通行止めになり、約80軒が停電した。復旧の見通しは立っていない。北側の群馬方面は中双里区に2人、中津川区に14人が住んでいるが、けが人はないという。

 県災害対策課によると、崩落は山中の県道中津川三峰口停車場線で発生。土砂はトンネル状に道路を覆う全長約30メートルの「大滑ロックシェッド」の約3分の2を覆い、一部が県道をふさいでいる。

 近くに小鹿野町につながる林道があり、孤立世帯はないという。道路沿いの電線が切れて停電したほか、中津川区などへの電話がつながらない。また、停電により付近の携帯電話基地局が使用できず、地元住民の携帯電話が不通になっている。原因の調査や停電の復旧、土砂の撤去作業は14日にロックシェッドの健全性を調査した後に行うため、見通しが立っていない。

 西武秩父駅から中津川区を結ぶ西武観光バス中津川線は、当面の間は県道に入る手前の川又バス停で折り返し運行をする予定。

 大野元裕知事は同日午後2時ごろに現地に到着。同事務所の職員らと共に、ロックシェッドや中津川流域に流れ込んだ土砂の爪痕を念入りに確認した。視察後、現地で取材に応じた大野知事は「崩落による人的被害は現段階で一件も確認されていないので、その点はほっとしている。孤立状態は免れているが、今後、ライフライン事業者や市と強調しながら、即急な復旧に当たる必要がある」と話した。

 同市内では3日前に雨が降ったが、土砂崩れとの因果関係は不明だという。

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