埼玉新聞

 

不安そうな3歳女児、迷子に…中1女子が安心させようとお絵描き 警官に保護された女児バイバイと手を振る

  • 左から浦和東署の吉野保浩署長、橋本友貴さん、金子瑠花さん、佐藤のんさん=25日、さいたま市緑区

 迷子の女児を保護したとして浦和東署は25日、いずれもさいたま市緑区の看護師橋本友貴さん(33)と東浦和中学校1年の金子瑠花さん(13)、同佐藤のんさん(13)に感謝状を贈った。

 先月14日午後5時ごろ、同区大間木の路上を一人で歩いていた女児(3)を部活動からの帰宅途中だった金子さんと佐藤さんが発見。歩道と車道をおぼつかない足取りで行き来していたことから、2人は心配して尾行した。偶然通り掛かった橋本さんが2人に話を聞き、迷子だと判断し110番したという。

 橋本さんによると、金子さんと佐藤さんは警察が保護に来るまでの間、女児に少しでも安心感を感じてもらおうと、自分たちが持っていたノートとペンを使い一緒に絵を描いて遊んだ。最初は不安がって問い掛けにも答えなかった女児だが、次第に応じるようになり、警察官に保護される時には3人に向かって「ばいばい」と手を振った。その後、女児は同署に迎えに来た母親に無事に引き渡された。

 感謝状を受け取った橋本さんは「看護師として人の表情や行動を観察している。ちょっとした違和感に気付くことができ、結果として女の子を助けられて良かった」と話した。金子さんは「女の子が事故に遭わなくて良かった。これからも困っている人を助けたい」、佐藤さんは「誰か不安になっている人がいたら自分から助けることができる人になりたい」と力を込めた。

 同署の吉野保浩署長は「3人の勇気ある行動がなければ重大な事案になっていた可能性もある。感謝の一言に尽きる」と述べた。

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