埼玉新聞

 

花びらまいて参道清め、花吹雪で境内包む 秩父・上吉田で花まつり、地元の子どもらお釈迦様の誕生祝う

  • 参道で花びらをまきながら米山薬師堂へ向かう子どもたち=4日午前、秩父市上吉田

 江戸時代の天明6(1786)年から続く伝統行事で、お釈迦(しゃか)様の誕生を祝う「塚越の花まつり」(県指定無形民俗文化財)が4日、秩父市上吉田の米山薬師堂で行われ、地元の子どもら18人が近くの野山で摘んだ花びらをまきながら参道を歩いた。

 子どもたちは午前7時に熊野神社を出発。ヤエザクラを中心とした花びらをまいて参道を清めながら、米山薬師堂までの山道を進んだ。ボタンやアオキの実などで飾り、釈迦像を納めた「花御堂」が後に続いた。薬師堂ではお釈迦様に甘茶を掛け、1人ずつ祈願。最後は掛け声に合わせて花びらを上空へ一斉にまくと、境内は花吹雪に包まれた。

 かつては3年生以上の男子小学生だけで行っていたが、現在、塚越地区に住む小学生は6年生の新井彩葉(いろは)さん(12)、3年生の伯君(8)のきょうだいのみ。地区の中学生や地区出身者の孫らが応援に駆け付けた。彩葉さんは「花を摘んだり、花御堂を作るのは大変だったけど、これからも続けてほしい」、伯君は「来年も頑張りたい」と話していた。

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