埼玉新聞

 

ハイデイ日高も大打撃、コロナ禍で赤字30億円 「目が覚めた」大宮で会長が講演、V字回復への戦略は

  • 講演するハイデイ日高の神田正会長=さいたま市大宮区の清水園

 埼玉を愛するリーダーたちが活発な情報交換を目指して交流を深める「埼玉会」(代表世話人・江原貞治県宅建協会会長、会員64人)が主催する講演会と情報交換会が、さいたま市大宮区で開かれた。出席した会員約35人を前に、ラーメン店をチェーン展開するハイデイ日高(同市同区)の神田正会長(80)が「アフターコロナの経営戦略~V字回復を目指して~」と題して講演した。

 同社は、長引くコロナ禍の影響で昨年は約30億円の赤字と大打撃を受けた。神田会長は「駅前店でサラリーマンたちのちょい飲み需要に応える当社の成長エンジンが(コロナ禍で)アゲンストになった。(赤字で)目が覚めた状態だ」と吐露。V字回復の戦略として、これまで手薄だったロードサイド(郊外)への出店を挙げた。「郊外の100坪ほどの空き店舗は大きいので、半分をまた貸して家賃収益に充てるなど、他店舗と共存した店づくりを進めている」。

 さらに、競合店が出店しない乗降客の比較的少ない駅前出店で集客を図る戦略も明かし「家賃は出来高制で地主やオーナーに還元。まちの活性化や地域住民の食のインフラにもつながる」と強調。「株主中心の経営は長続きしない。地域社会や従業員に還元できる持続可能な経営で難局を乗り切りたい」と新たな意欲を示した。

 講演後は、会員らによる意見交換会が行われた。

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