埼玉新聞

 

小学校統合、来春に新小学校 埼玉・行田、保護者ら延期求める「説明が二転三転、急いで開校しなくても」

  • 石井直彦市長(右)に陳情書の署名を手渡す「とねのこの会」代表の野口昭彦さん=25日午前9時40分ごろ、行田市役所

 行田市の荒木小学校と須加小学校が統合し、来年4月に荒木小の場所に開校する見沼小学校について、須加小の保護者有志で組織する市民団体「とねのこの会」が25日、市役所を訪れ、石井直彦市長に開校時期の延期を求める陳情書を提出した。陳情書は1353人分の署名を集めており、「時期尚早」として開校時期の延期を強く求めている。

 市は少子化などのため2019年に市公立学校適正規模・適正配置の基本方針および再編成計画を策定。北河原小、荒木小、須加小、見沼中を再編して義務教育学校を設置予定だったが、地域の反発を受けて白紙に。今年8月5日に行われた臨時議会では、小学校を来年3月末で廃止し、見沼小を新設する条例案などが可決された。

 臨時議会では議員提出議案で追加提案された一般会計補正予算に対する付帯決議も全会一致で可決。付帯決議は「児童および地域への対応については、特例を設けることなく、平等かつ公平を保つよう制度の適切な運用に努めること」を求めるものだった。市は須加小の児童が閉校後に希望する見沼小と桜ケ丘小へバスを出す方針だったが、付帯決議を受けて見沼小のみにバスを運行することになった。

 同会代表の野口昭彦さん(39)は「これまでの説明が二転三転していて、不信感がある。来年4月に急いで開校しなくてもよいのではないか。市民の声を聞いてほしい」と語り、石井市長と吉田豊彦市議会議長宛ての陳情書を提出。石井市長は「全会一致で可決された付帯決議は重いが、内容を吟味して結論を出していきたい」と話した。

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