【アンケート結果】第2回 医学生の意識調査

公益財団法人川野小児医学奨学財団
興味のある診療科「小児科」が2位、前年3位からアップ 理由は「子どもが好きだから」が圧倒的に多く8割以上に

 小児医学・医療・保健の発展のため、小児医学研究者への研究助成や小児医学を志す医学生への奨学金給付を行う公益財団法人川野小児医学奨学財団(所在地:埼玉県川越市、理事長:川野幸夫/株式会社ヤオコー代表取締役会長)は、「第2回 医学生の意識調査」を実施いたしました。  本調査は、全国の医学部医学科で学ぶ学生を対象に、医学部受験や希望進路などに関する質問を行い、医学生の志向や実態について調査・分析することを目的としております。


調査概要


調査名:「第2回 医学生の意識調査」
対象者:全国の大学医学部医学科に通う医学生
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年3月5日~3月8日
回答数:115名(男性28名、女性87名)
※本調査リリースの調査結果・グラフをご利用いただく際は、【(公財)川野小児医学奨学財団調べ】とご明記ください
※第1回の調査結果についてはこちらからご覧ください
【アンケート結果】医学生の志望理由・学生生活・進路に関する意識調査
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000104845.html

集計結果のポイント


●医学生の現在、興味のある診療科は、1位「内科」(38.3%)、2位「小児科」(27.8%)、3位「外科」(26.1%)となった。
「小児科」の回答は前年調査と比べて4.9pt増、「外科」を僅差で上回り、2位となった。(Q6)

●小児科に興味があると答えた医学生に理由を聞いたところ、「子どもが好きだから」(81.3%)が
圧倒的に多い結果となった。
次いで「自分や家族が病気になったとき、小児科の先生にお世話になったから」(37.5%)、
「小児科医が不足しているから」(34.4%)などが上位を占めた。(Q7)

●医学生が医師に必要だと思うことは、1位「医学の知識と技術」(77.4%)、2位「コミュニケーション能力」(52.2%)、3位「体力」(33.9%)となり、いずれの項目も前年調査と比較して回答者の割合が増加した。(Q5)

●「医師になったら地元で働きたいですか」の質問に対し、6割強(62.6%)の医学生が「はい」と回答した。(Q12)

●地元で働きたい理由として、「自分がお世話になった地域に医療という形で恩返ししたいから」や「地元が好きだから」などの声が多くあがった。(Q13)

●医学生の将来的に興味のある働き方は「臨床医」が圧倒的に多く、約8割(78.3%)が回答し、2位以下の「研究医」(16.5%)、「産業医」(13.0%)を大きく引き離した。(Q14)

●医学生の好きな医療系の漫画・アニメは、1位「コウノドリ」(15票)、2位「ブラック・ジャック」(14票)、3位「ドクターX」(8票)となった。(Q4)

アンケート集計結果


Q1. 現在、奨学金制度を利用していますか。 [単一回答]
 医学生の約6割(58.3%)が奨学金制度を「利用していない」と回答した。前年と比較し「奨学金を利用(貸与型・給付型・貸与型と給付型を併用)」(41.7%)している医学生が増加した。なかでも「貸与型の奨学金を利用」(23.5%)が最も多く4.2pt増加した。


Q2.医学部に入りたいと思ったのはいつごろからですか。 [単一回答]
 「高校生のとき」が4割強(43.5%)と最も多く、次いで「小学生のとき」(32.2%)、「中学生のとき」(22.6%)の順となった。
 前年と比較して「高校生のとき」は4.1pt減少し、「中学生のとき」は5.1pt増加した。
「その他」(1.7%)の自由記述では「幼稚園」、「保育園」という回答があった。


Q3.あなたが医学部に入ることを決めるのに最も影響を受けた人を教えてください。 [単一回答]
 「家族」という回答が圧倒的に多く半数以上(54.8%)となった。次いで、「自分が出会った医師」(13.0%)、「友達」(11.3%)の順となった。
 「家族」と「自分が出会った医師」の回答の差は4倍以上となり、「家族」から影響を受けて医学部に入ることを決める医学生が多いことがうかがえる。


Q4.あなたの好きな医療系の漫画・アニメを教えてください。 [自由記述]
 1位は産科医であり、ピアニストでもある男性が主人公として描かれた「コウノドリ」。
2位は1973年に連載が始まった「ブラック・ジャック」。3位は大ヒットドラマを漫画化した「ドクターX」。
4位は同率で病理医が主人公の「フラジャイル」、児童精神科医が主人公の「リエゾン」の順になった。


Q5.医師に必要だと思うことは何ですか。【3つまで選択】
 1位「医学の知識と技術」(77.4%)、2位「コミュニケーション能力」(52.2%)、3位「体力」(33.9%)の順となり、いずれの項目も前年調査と比べ増加した。
 特に「医学の知識と技術」は14.1pt増となり大幅に増加した。
 一方、心の持ち方に関連する回答は、前年と比較し「思いやり」(12.2%)5.9pt減、「道徳心」(4.3%)4.7pt減と全体的に減少した。


Q6.現在、興味のある診療科を教えてください。 [複数回答]
 1位「内科」(38.3%)、2位「小児科」(27.8%)、3位「外科」(26.1%)の順となった。
 前年調査と比較し「内科」5.1pt減、「小児科」4.9pt増、「外科」0.8pt増となり、1位に変動はなかったが、前年2位だった「外科」を「小児科」が僅差(1.7%)で上回り、順位が逆転した。


Q7.(Q6で「小児科」を選択した人)なぜ小児科に興味があるのですか。[複数回答]
 「子どもが好きだから」が最も多く、8割強(81.3%)となった。次いで「小児科医にお世話になったから」(37.5%)、「小児科医が不足しているから」(34.4%)の順になり、いずれも前年調査より回答者の割合が増加した。


Q8.(Q6で「小児科」を選択していない人)小児科に興味が無い・小児科医になりたくない理由は何ですか。[複数回答]
 最も割合が高かったのは「子どもや親とのコミュニケーションが大変そうだから」となり約4割(36.1%)が回答した。
 次いで「子どもが得意ではないから」(25.3%)、「忙しそう・大変そうなイメージがあるから」(25.3%)が同率2位となった。


Q9.医学部に入るまでに苦労したことは何ですか。 [複数回答]
 「受験までの不安、焦りとの戦い」と回答する割合が最も多く、半数近く(47.8%)となった。また「モチベーションの維持」(40.0%)、「周囲からの期待によるプレッシャーに耐えること」(24.3%)など、精神的な苦労が上位にあがった。一方、「特に苦労はしなかった」という回答も一定数(15.7%)あった。


Q10.医学部受験を頑張ることができた理由は何ですか。 [複数回答]
 1位は「医師になる夢があったから」となり約6割(60.9%)が回答した。続いて2位「身近な人からの励ましがあったから」(32.2%)、3位「医師の給与やステイタスが高いから」(30.4%)となった。1位「医師になる夢があったから」は2位の「身近な人からの励ましがあったから」の約2倍となり大きく引き離した。


Q11.あなたは勤める病院を選ぶうえで何を重視しますか。 [複数回答]
 「給与」(56.5%)と「勤務地」(55.7%)がほぼ同率で、5割以上となった。
他の選択肢についても3割を超えるものが多く、様々な条件を考慮して務める病院を選ぶ傾向が見受けられた。


Q12.医師になったら、地元で働きたいですか。 [単一回答]
 全体では6割強(62.6%)が地元で働きたいと回答した。


Q13.それはなぜですか。[自由記述]
 「はい」と回答した医学生からは、「地元に医学の知識をもって恩返ししたい」や「地元が好きだから」という声が多くあがった。反対に「いいえ」と回答した医学生は地元ではかなえられない「キャリアアップ」や「スキルアップ」を理由にするものが多くあがった。

<Q12で「はい」と回答した方の理由(抜粋)>
・自分がお世話になった地域で医療という形で恩返ししたいから(3年生 大分県)
・自分を育ててくれた地域に自分が学んできた知識、技能を還元したいから(5年生 大阪府)
・地元が好きだから(3年生 愛知県)
・家族が病気になったら助けたいから(5年生 岡山県)
・高度な医療を実践したいから(4年生 東京都)
・奨学金返済のため(6年生 福島県)

<Q12で「いいえ」と回答した方の理由(抜粋)>
・自身が理想とする医師を目指すためには地元では経験できないキャリアを選択する必要があるから(2年生 静岡県)
・色んな場所に行って経験を積みキャリアアップしたいから(1年生 熊本県)
・山間の過疎地域であり専門的なスキルを高める、維持するのが困難と思われるから(2年生 千葉県)
・都会に出たいから(2年生 三重県)
・海外に出たい(3年生 東京都)
・知り合いの診察は抵抗がある(6年生 鹿児島県)

Q14.将来的に興味のある働き方を教えてください。 [複数回答]
 「臨床医」の回答が圧倒的に多く、8割近く(78.3%)の回答となった。2位は「研究医」(16.5%)となった。3位は同率で「産業医」(13.0%)と「まだ考えていない」(13.0%)となった。


Q15.あなたは情報収集を行う際にどのコンテンツを利用していますか。[3つまで選択]
 医学生が情報収集を行う際に利用しているコンテンツは、1位「X(旧Twitter)」(50.4%)、2位「Instagram」(49.6%)、3位「Youtube」(44.3%)、4位「LINE」(34.8%)の順となり、SNSが上位を占める結果となった。一方、世界中の多くの人々に利用されている「Facebook」の利用率は1%未満(0.9%)となり、同じSNSの「X(旧Twitter)」、「Instagram」、「Youtube」、「LINE」と比較して、医学生の利用率は低い結果となった。


<財団概要>
財団名: 公益財団法人川野小児医学奨学財団
所在地: 〒350-1124 埼玉県川越市新宿町1-10-1
理事長: 川野 幸夫(株式会社ヤオコー 代表取締役会長)
事務局長: 川野 紘子
設立: 1989年12月25日
行政庁: 内閣府
URL: https://kawanozaidan.or.jp/
TEL: 049-247-1717
Mail: info@kawanozaidan.or.jp
事業内容: 研究助成/奨学金給付/小児医学川野賞/医学会助成
      小児医療施設支援/ドクターによる出前セミナー
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