埼玉新聞

 

<埼玉西武だより>万全の調子も結果は…渡辺勇太朗、危険球で退場 さまざまな経験経て、一つ大きく

  • さまざまな経験を経て、少しずつ大きくなっていく埼玉西武の渡辺勇太朗(球団提供)

 調子が悪いなりに勝利をつかみ取った12日のオリックス戦から1週間後、19日、今度は敵地京セラドーム大阪で再びオリックス戦の先発マウンドに上がった渡辺勇太朗(浦和学院高出)は、前週とは打って変わって万全の調子も結果は悔しいものに終わってしまった。

 一回、2死一塁で今季すでに2本の本塁打を浴びている杉本選手を迎えるが、臆することなく内角に直球を投げ込み、詰まらせて遊飛。「調子が良く、バランスも良かった」からこそ攻めの投球ができた。

 一方で「もったいなかった」と悔やんだシーンは四回2死。1点リードで迎えた場面だったが、T―岡田選手に甘く入った直球をとらえられ、右翼の5階席まで持っていかれた。そして同点で迎えた五回。今度は無死一塁から犠打を試みようとする伏見選手に対して、危険球となる死球。高めの速球でフライを狙いにいった結果、「抜けてしまった」と悔やんだ一球で、退場となってしまった。

 同点かつ無死一、二塁のピンチで降板した渡辺だったが、負けはつかなかった。ピンチを救ってくれたのは一つ年上ながらルーキーの水上由伸。実はこの2週間前の9月5日、楽天生命パーク宮城で先発して打ち込まれた渡辺の後を継いだ水上は、その流れを止められず自身のデビューからの無失点記録もストップ。そのとき、「それ(自分の記録)よりも勇太朗の失点を増やしてしまったのが申し訳ない」と一つ年下の後輩の自責点が増えたことを悔しがったが、その水上が19日は、2番手として緊急登板し、見事その回は無失点で切り抜けた。

 「急きょ、投げられた水上さんに感謝です」と降板後、そう話した渡辺。ローテーションを回るようになり、この短い期間だけでもすでにいろいろなことを経験した。先輩の優しさも感じながら、また一つ階段を上っていく。

 (埼玉西武ライオンズ広報部)

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