埼玉新聞

 

イオンモール川口―市営公園で自動運転バス運行計画、川口市が進める 笹根川を活用した専用道路整備も

  • 自動運転バスの専用道路が計画されている笹根川と遊歩道=15日、川口市

 川口市は市北東部寄りのショッピングセンター「イオンモール川口」(安行領根岸)と市営公園「グリーンセンター」(新井宿)をつなぎ自動運転バスを走らせる計画を進めている。距離は約500メートルで、そこを流れる準用河川「笹根川」を活用して専用道路を作る計画。

 笹根川は国が管理する1、2級河川以外の、市町村長が指定・管理する準用河川。東京外環自動車道と東北自動車道の交差する川口ジャンクション付近に水源があり、新芝川に合流するまでの約2・5キロの流れ。約半分は住宅街の中を通り暗渠(あんきょ)になっているが、暗渠でない部分は緑豊かな自然の中を流れ、付近住民には人気の遊歩道になっている。

 市都市交通対策室によると、市は今年中に住民説明会を行い住民の了解を得た上で、来年度から設計の検討を始める計画だ。「近未来の技術を川口で実現したい」と関係者は夢を膨らませている。

 この計画に関連して14日、市とイオンモール、サイボー、ネッツトヨタ東埼玉の4社による連携協定の締結式が市役所で行われた。同協定はグリーンセンターとイオンモール川口の相互利用の促進と回遊性の向上で協力していくことを目的に掲げ、具体的には次世代モビリティの活用で連携する。

 グリーンセンター自体は大規模な改造工事の1期と2期工事が2024年度末に終了予定で、自動運転バスの関連工事はその後になるという。それまでに専用道路の形などの設計を進める計画。

 河川の改装工事などは市が担い、自動運転バスは民間の自動車メーカーが進めているものを活用する方針。トヨタが開発する自動運転バスが有力視されている。

 市は19年と20年度の2年間かけて上青木のSKIPシティから埼玉高速鉄道鳩ケ谷駅まで東へ約3・4キロの公道で自動運転バスの走行実験に取り組んだ経験がある。完全に運転手なしの無人バスで公道を走らせるのは難しいなどの課題が見つかった。これらの経験を今後生かしていく。

 協定締結式には奥ノ木信夫市長、サイボーの飯塚栄一社長、ネッツトヨタ東埼玉の飯塚素久社長が調印した。計画に尽力した新藤義孝衆院議員(元総務大臣)も出席し祝辞を述べた。

ツイート シェア シェア