埼玉新聞

 

<埼玉西武だより>頼もしくなる渡辺勇太朗の背中 悪いなりにも収穫 5回無失点、5奪三振で今季2勝目

  • 今後のさらなる期待が懸かる埼玉西武の渡辺(球団提供)

 その背中が日を重ねるたびに大きく見える気がする。背番号12・渡辺勇太朗(羽生市出身、浦和学院高出)は8月26日、福岡ソフトバンク戦に登板し、5回を無失点。五つの三振を奪い、今季2勝目を挙げた。「今日はあまり余計なことは考えずに、いい意味で『無』の状態で試合に臨むことができました」と冷静に試合を振り返った。

 15日、念願のプロ入り初勝利を挙げたが、その余韻などはもうない。数多くの祝福に感謝しながらも、数えきれないほどの勝利を重ねていくため、すぐに見据えたのが26日の登板だった。

 初回から強気に岡田雅利のミットを目掛けて投げ込んだ。ランナーを1人出して迎えた柳田には内角中心の配球で追い込み、最後もインコースのスプリットを振らせて空振り三振。その後、2死一、二塁となるがデスパイネに対して3球勝負に挑み、最後は140キロのスプリットを振らせてピンチを脱した。その裏、中村剛也が2ランを右翼席にたたき込み、渡辺も貴重な先制点を最後まで守り抜いた。

 「三者凡退で抑えることができたのは最後の五回表だけでしたので、味方の攻撃のリズムをうまく生み出せなかったのは反省点です」と決して満足しなかった渡辺。収穫は悪いなりにも抑えることができたことだった。

 先発投手として順調に歩み始めた背番号12だが、決して現状に満足することなく、冷静に自らの課題と向き合っている。週を重ねるごとに頼もしくなっていくその背中をこれからも楽しみにしていきたい。

 (西武ライオンズ広報部)

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