埼玉新聞

 

<統一地方選>県議選、自民48議席で単独過半数を維持 立憲民主は7議席 国民、共産も伸ばす

  • 接戦の末に当選を果たし、万歳で喜ぶ千葉達也氏(中央)=7日午後10時半、加須市中央の選挙事務所

 第19回統一地方選挙の前半選となる県議選(52選挙区=定数93)とさいたま市議選(10選挙区=定数60)は7日、投開票が行われた。最大会派の自民は48議席(推薦含む)を確保。現有51議席には届かなかったものの、単独過半数(47議席)を維持した。立憲民主は新人2人を含め7議席を獲得し、2議席増。国民民主は現職3人と新人1人の全員が当選し、1議席増やした。公明は新人2人を含め9人が全員当選。共産は新人と元職を含め1増の6に議席を伸ばした。諸派新人1人が当選した。女性は前回の10人を上回る14人が当選。投票率は35・52%と過去最低を更新した。

 県議選は2015年の前回より35人少ない129人が立候補。無投票選挙区は前回の9選挙区を大幅に上回る過去最多の22選挙区に上り、計32人が無投票当選になった。選挙戦は残る30選挙区の計61議席を97人が争った。

 自民は推薦2人を含め計61人を擁立(23人は無投票当選)。現職を中心に安定した選挙戦を展開し、「1強」の構図を維持した。南5区(さいたま市大宮区)は、藤井健志氏(43)が立民の女性新人との一騎打ちで勝利。西10区(坂戸市)は木下高志氏(59)が無所属新人を退けた。

 新人では、南7区(さいたま市中央区)で宮崎吾一氏(36)が、視覚障害者の立民新人に競り勝った。そのほか、南9区(さいたま市浦和区)の高木功介氏(43)や南21区(朝霞市)の松井弘氏(58)らが当選した。

 一方、激戦区の東1区(行田市)は、県連幹事長の鈴木聖二氏(64)が、前回戦った無所属新人の柿沼貴志氏(43)に敗れた。定数2の東3区(加須市)は、県議を11期務めた野本陽一氏(79)の後継で新人の千葉達也氏(56)が当選したものの、現職の柿沼トミ子氏(71)が無所属新人の高橋稔裕氏(35)を上回れず、2議席を確保することができなかった。

 東5区(蓮田市)は現職が無所属新人の山口京子氏(62)に敗れた。定数7の南2区(川口市)も現職が落選し、3議席を守れなかった。

 立民は、無投票当選2人を含め現職5人全員の議席を確保。新人では、南1区(草加市)の東間亜由子氏(50)と南2区の白根大輔氏(39)が当選した。

 国民は現職3人が議席を確保。定数3の南13区(上尾市、伊奈町)で唯一の新人が当選し、1議席伸ばした。

 公明は最重点区に掲げた南1区(草加市)や南13区を含めて全員勝利を果たし、9議席を獲得した。

 共産は無投票当選1人を含め、現職4人が当選。県議団長を務める西1区の柳下礼子氏(72)は7選を果たした。新人は南13区の秋山もえ氏(43)が、元職で

は西7区の守屋裕子氏(69)が当選し、議席を1伸ばした。

 7議席を巡って現職6人を含む9人が出馬した南2区は、唯一の女性で元川口市長を父に持つ岡村ゆり子氏(38)がトップ当選を果たした。不出馬の予定から一転して立候補した南17区(志木市)の鈴木正人氏(50)は、自民推薦の新人に勝利した。

 新旧別では、現職70(前回68)、元職2(同0)、新人21(同25)人。「政治分野における男女共同参画推進法」の成立後初となる統一地方選で注目を集めた女性候補は、前回より4人多い14人が当選した。

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