埼玉新聞

 

埼玉の東京五輪の聖火リレー、さいたま、川口の公道走行を中止 実施の自治体もグッズ配布の見送りを協議

  • 東京五輪開幕100日前で展示された五輪とパラリンピック聖火リレーのトーチ=4月14日、さいたま市役所

 大野元裕知事は22日、7月6~8日に県内40市町を通過する予定の東京五輪聖火リレーについて、新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」対象のさいたま市、川口市での公道走行を中止し、残りの自治体は予定通り実施すると発表した。大野知事は「公道リレーそのものは感染リスクが高くないが、不要不急の外出自粛などを求めている措置区域では特に慎重であるべき」と理由を述べた。川口市は6日のスタート地点、さいたま市は8日のゴール地点に設定されていた。県は今後、2市での代替措置を大会組織委員会と検討する。

 県は5月23日の時点では「予定通り実施」としていた。大野知事は報道陣に対し「措置が(6月21~7月11日まで)延長され、対象区域は15市町から2市に変わった」とし、さらに「公道で実施する自治体でも、インターネット中継での観覧を呼び掛け、スポンサーによるグッズ配布は見送るよう大会組織委と協議している」とした。

 公道走行が中止される2市には21日、大野知事から「県としてはリスクと措置を考えた場合に公道リレーは安心安全を提供するものになり得ない」と伝え、理解が得られたとの見方を示した。さいたま市ではゴール後に450人の観客を入れたセレブレーションイベントが行われる予定だったが、公道走行と同様代替措置が取られる。

 県スポーツ局の大浜厚夫局長は埼玉新聞の取材に「全県での公道リレーを理想として準備してきた。一生懸命取り組んできた該当市の人々の気持ちを考えると残念だが、やむを得ない」と話し、代替措置については「2市とも協議し、納得してもらえるような良い形を考えたい」とした。

 また、大野知事は都市ボランティア2500人にモデルナ製ワクチンを県が接種する計画を発表。市町村や県立学校などの児童生徒に向けた学校連携観戦チケットは大会延期後に確認されていた約8万6千枚から、74・7%に当たる約6万4千枚がキャンセルされたと明らかにした。

■聖火リレー県内ルート

▽1日目(7月6日)

蕨市、戸田市、和光市、朝霞市、新座市、日高市、狭山市、富士見市、三芳町、ふじみ野市、所沢市

▽2日目(7月7日)

草加市、八潮市、三郷市、吉川市、越谷市、秩父市、皆野町、長瀞町、春日部市、杉戸町、宮代町、久喜市、加須市、行田市、熊谷市

▽3日目(7月8日)

川越市、鶴ケ島市、坂戸市、本庄市、深谷市、嵐山町、東松山市、滑川町、鴻巣市、北本市、桶川市、上尾市

■「大変残念だ」 さいたま市長

 さいたま市の清水勇人市長は22日、「今回の決定は、市民の安全を第一に考え、適切に判断されたものと受け止めています。聖火ランナーの皆さんや、公道での聖火リレーを楽しみにされていた市民の方々のことを思うと本当に心が痛みます。私自身も大変残念な思いです」などとするコメントを発表した。

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