埼玉新聞

 

<新型コロナ>埼玉県の大規模接種、初日は499人 キャンセル待ち、1人接種 16日分からの予約は

  • 県が開設した新型コロナウイルスワクチンの大規模接種会場で受け付けをする高齢者(右側)=1日午前、さいたま市(代表撮影)

 県が、さいたま市浦和区北浦和の県浦和合同庁舎に開設した新型コロナウイルスワクチンの接種センターで1日、高齢者への接種が始まった。市町村が発送する接種券が既に届いている65歳以上の高齢者が対象で、初日は499人に接種が行われ、最後の1人の接種は午後4時45分ごろに完了した。7月31日まで稼働し、計2万1千人の接種を目指す。大野元裕知事は1日の定例会見で「一日でも早く、一人でも多くの方に接種ができるよう円滑に進めていきたい」と述べた。

 県ワクチンチームによると、この日は2人が接種をキャンセルした。余ったワクチンのうち、1人分はキャンセル待ちの予約者に接種。もう1人分は注射針とシリンジ(注射筒)の接続不良で液漏れが生じ、接種をやり直した分に充てられた。副反応などの報告はなかった。

 県は接種センターで計4万2千回の接種を予定している。6月15日までの予約枠は当日キャンセル待ち枠を含め全て埋まっているが、今後も事前にキャンセルする人がいる場合、予約が空く可能性がある。大野知事は会見で「予約サイトを見てほしい」と呼び掛けた。9日午後1時には、同16~30日分の予約が開始される。

 県の接種センターでは、米モデルナ製のワクチンを県立病院などの医師や看護師らが接種している。市町村で用いるファイザー製ワクチンとは異なるため、2回の接種を県と市町村の会場で分けて打つことができないのが課題だ。県の担当者は「市町村との二重予約が確認された人全員に電話し、県で接種する場合には確実にキャンセルしてほしいとお願いしている」としているが、実際に二重予約が解消されたかは確認できないという。

 県接種センターは接種事業を担う市町村の補完的役割を担うため開設された。政府が掲げる7月末までの高齢者の接種完了に向け、軌道に乗れば1日当たり700人を想定している。

 6月下旬の接種では、市町村での進捗(しんちょく)状況に関する国の調査を受けて、改めて優先枠を検討するとしている。

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