埼玉新聞

 

SLの運行目指し、ボイラーの修繕が完了 東武鉄道が復元作業、来春からの運行実現へ大きな峠越える

  • 南栗橋車両管区にあるSL検修庫に搬入されたC11形123号機のボイラー

 東武鉄道が、復元作業を進めている蒸気機関車(SL)のボイラーの修繕が完了し、久喜市にある同社の南栗橋車両管区のSL検修庫に26日、搬入された。同社によると、運行実現へ向け、大きな山場を越えたという。

 保存されていた1947年製造のC11形123号機は、日本鉄道保存協会から2018年11月に譲り受け、技術力向上を目的に19年1月から復元作業に着手した。ボイラーは同年7月、専門的にメンテナンスを手掛ける「サッパボイラ」(大阪市)に修理を依頼。劣化が進んでいたため、火室と煙室扉は修繕したが、缶胴や煙室などは新しく製造したという。

 同社車両企画課の関山之郭課長は「SLの心臓部に当たるボイラーの修理が完了したことで一つの大きな峠を越えたが、組み立て作業や試運転などまだまだ難題は横たわっている。一つ一つ課題をクリアし運行を目指したい」と語った。

 同機は、今冬に復元作業が完了する予定で、来春からの運行を目指しているという。

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