埼玉新聞

 

ヤオコー好調、純利益145億円 内食・中食、すし・ステーキなど高価格帯商品が伸びる 今後の展開は

  • ヤオコー、純利益17%増145億円

 ヤオコー(川越市)は11日、オンラインで2021年3月期の決算説明会を開いた。連結の純利益は前期比17・1%増の145億9300万円だった。29期連続の増益。新型コロナウイルス感染拡大により、川野澄人社長は「巣ごもり需要に伴う内食・中食、生鮮品などが好調だった」と要因を挙げた。

 売上高に当たる営業収益は10・3%増の5078億6200万円で、32期連続の増収。新型コロナの感染予防に伴う在宅時間の増加で、内食・中食需要が伸長。まとめ買いや生鮮の和牛やステーキ肉、総菜のすしなど高価格帯商品の販売が増えた。調味料や生活用品など頻度品も伸びた。ヤオコー単体の既存店の売上高は9・1%増。来店客数は減少も、買い上げ点数や客単価は増えた。

 営業利益は13・0%増の224億5800万円で、32期連続で営業増益を達成。需要増に対応した人員増で人件費が増加も、店内の密集回避へチラシ配布抑制などの販促費削減効果が利益を押し上げた。

 年間配当は20円50銭増配し、85円50銭とした。昨年5月に迎えた創業130周年を記念した配当金13円が含まれる。

 22年3月期の連結業績予想は、新型コロナの影響の一巡で反動減も想定し、営業収益は前期比0・1%増の5086億円、純利益が2・7%減の142億円を見込んだ。

 併せて21年度から23年度までの中期経営計画の説明も行った。川野社長は同期間の経営環境を「コロナの影響で景気環境は厳しい状況が続く中、子育て層ら価格に敏感な消費者が増える」と想定。「同業他社に加え、食品強化のドラッグストア、インターネット通販らとの競合を意識する必要がある」と述べた。

 計画に向け、単体では従来より新規出店を増やす方針。商品力や各店のサービス力を上げるほか、若い客層の利用が多い商品群の価格訴求に努める。子会社の「エイヴイ」をベースに、ディスカウント形態「フーコット」の展開を新たに始め、22年3月までに2店出店する。

 24年3月までに連結で計30店程度新規出店し、200店舗以上の体制を構築する方針。24年3月期の連結の売上高は21年3月期比5・8%増の5156億円、経常利益7・1%増の238億円を目指す。

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