埼玉新聞

 

川内優輝選手、地元の久喜マラソンで公務員ラストラン 忍者コスプレ「暑い」 沿道から「結婚おめでとう」

  • 久喜高の同僚らの応援を受け、ゴールテープを切る川内優輝選手=24日、久喜市総合運動公園

  • トークショーに登場した川内選手(中央)=24日、久喜市総合運動公園

 「県庁の星」と呼ばれ公務員ランナーとして活躍し、4月からプロに転向する川内優輝選手(32)が24日、地元の久喜市で開催された「よろこびのまち久喜マラソン大会」に参加した。忍者姿の川内選手は沿道から多くの声援を受けながら、市民ランナーとしてのラストランを笑顔で飾った。

 「忍」の鉢巻き、口元まで覆った黒の忍者姿に身を包み、弟の鴻輝さんらと共にハーフマラソンに出場した川内選手。アニメの聖地として知られる地元を意識し、毎年久喜マラソンにはユニークなコスプレ姿で出場して観客を楽しませている。「暑かった」と最後は苦しい表情となったが、ゴール前で競り勝ち3位でゴールした。

 県立久喜高校定時制職員として勤務している川内選手は、3月で県庁を退職する。ゴール付近では久喜高の同僚たちが手作りの横断幕を掲げて応援していた。同校の竹本淳校長(59)は「模範的な仕事ぶりで他の職員からも信頼されていた。寂しさもあるがご自身が選んだ道。今後は一ファンとして、川内さんを応援していきたい」。

 同僚の同校定時制職員五藤諒さん(32)は「土日にレースに出場して月曜日に仕事している姿を見て、本当にすごいなと思っていた。お世話になったので、感謝の思いを込めて応援できて良かった」と話した。

 レース後には多くの観客が見守る中、他のゲストランナーと共にトークショーに登場。食事やトレーニング方法、レースに関する市民ランナーからの質問に一問一問、丁寧に答えていた。今後については「たくさんレースに参加するスタンスは崩さずに、これからも各地の大会に出場していきたい」と話していた。

 5月に結婚する川内選手。その後の記者会見では「地元の大会ということで、結婚おめでとう、頑張ってとたくさん声を掛けてもらった。(市民ランナーとして)最後に久喜で走れたのは感慨深い」と語った。「これまで恵まれた温かい職場で働かせてもらえてうれしい」と応援に駆け付けた同僚らにも感謝の思いを口にしていた。

 プロ転向、結婚と転機を迎える川内選手。「人生で初めて陸上、マラソンを専門とする生活となり、いろいろな可能性も広がっている。今まで以上に埼玉に貢献し、恩返しができれば」と真っすぐなまなざしで力強く話していた。

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