埼玉新聞

 

<埼玉西武だより>変わりゆくスタジアム(4)ボールパーク完成、きょう歴史的な幕開け ドラマ始まる

  • メットライフドームエリアが竣工し、あいさつする埼玉西武の辻発彦監督=3月8日(球団提供)

 鉄骨と鉄骨の間からのぞく青い空に、青天井のごとく伸びていく若獅子たちの姿を映しているように見えた。

 時は2018年12月25日。メットライフドームエリアの改修計画が発表された1年後、同計画の「上棟式」が実施された際のことだ。辻発彦監督はライオンズ トレーニングセンターの骨組みだけが完成した敷地の中で、数多くの報道陣に囲まれながら、高い空を見上げていた。

 10年ぶりのパ・リーグ優勝を飾った18年のオフから、その改修計画は一段と加速した。

 もともと駐車場だった敷地に、新室内練習場となるライオンズトレーニングセンターと新若獅子寮を建設。翌年7月に真新しい両施設がここに誕生した。「これからは、より練習する環境が良くなるので、選手の意志でしっかり練習に励んでほしいです」。上棟式の時に辻監督が話していた通り、その施設では選手たちが主体的に練習をする姿が見受けられる。

 球団の事業ビジョンにある「チームの育成/強化」。それを実現するための施設だが、特に寮生にとっては願ってもない環境だった。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け開幕が延期となった2020シーズン。チームの練習場所を確保するために、球団はメットライフドームとライオンズ トレーニングセンターを緊急事態宣言下で開放。そこでは平良海馬や鈴木将平ら若手選手が重点的にウエートトレーニングに励み、かたや球団日本人最速の160キロを記録、かたやプロ入り初本塁打を放つなど、結果で答えを出した若獅子たちがいた。

 そんな若手の活躍に、限りない“夢”を見たファンも多かったのではないだろうか。そして、今年3月にメットライフドームエリアは約3年がかりの工事を経て竣工。成長著しい若獅子たちを間近で見ながらもボールパークとしてこの環境自体を楽しめる環境が整った。

 きょう26日は埼玉西武ライオンズにとって新たな歴史の幕開けだ。来る17時45分、高橋光成が投じる第1球を号砲に、数多くのドラマがこの地で生まれていくだろう。(埼玉西武ライオンズ広報部)

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