埼玉新聞

 

MEGUMI「女性の人生はジェットコースター」 出会いの季節にイチオシ美容法は 初授業とインタビュー※動画連動記事

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  •  学生の質問に答えるMEGUMI

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  •  「キレイはこれでつくれます」(ダイヤモンド社)

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 タレントで俳優のMEGUMIが、4月に開校したバンタン渋谷美容学院大学部(東京都渋谷区)の「名誉学院長」に就任、1年間授業を受け持つ。芸能界を生き抜き、女性として母親として輝く今。10代の女子学生に向け「女性の生き方」を語る初授業を行い、インタビューに応じた。

 ※初授業とインタビューの動画があります。詳しくは記事末尾に。

 (1)初授業「自分のやりたいことを形にしていく大切な三つのこと」

 (2)学生へ「心にメンタルヒーローを」

 (3)「MEGUMI」をさせていただいてます!

 (4)出会いの春にイチオシの美容法

 【MEGUMI】岡山県倉敷市出身。金沢でカフェ経営のほか、映像プロデューサーとしても活躍。大の美容好きで、美容本「キレイはこれでつくれます」(ダイヤモンド社)を2023年に出版。50万部超えのベストセラーとなっている。

 

 (1)初授業「自分のやりたいことを形にしていく大切な三つのこと」

 

 芸能界で23年間やってきて、さまざまな経験をしてきました。皆さんのこれからの人生に必ず役立つ話を、1年間かけてしていきたいと思います。

 今は「激動」の時代です。仕事の内容では、今までなかったものがどんどん出てきている。SNSが発達し、自分をPRしなければ、存在感が薄まっていくというふうに、価値観が変わっている。サバイブしていかなければいけない。そんな時代を生きる皆さんが「自分のやりたいことを形にしていく大切な三つのこと」を濃縮してお伝えしていきます。

 <その1>自分がやりたいことを明確にしていく

 

 「何を一番やりたいのか」という濃度が、濃ければ濃いほど、現実になっていくんですね。私は年に一度「事業計画書」を書いております。自分たちの信念です。(漫画「ワンピース」の)ルフィーだったら「海賊王になるんだ」と。そういう自分のキャッチコピーを、会社やブランドを立ち上げるときはバンと決めるんですね。

 1年後、2年後、5年後と、鮮明にしていけばしていくほど、自分たちのやりたいことが明確になっていくんです。例えばヘアメークさんならば、「海外でこういう雑誌に出たい」「こういう有名な人を手がけたい」というジャンルです。どういう立ち位置にいたいのか。どんどん具体的にしていくのがとても大事です。

 私は毎年、お正月に考えます。「2024年の事業計画」では、俳優業、母親として、女性として、経営者として、プロデューサーとして、何を達成したいのか。この考える時間が大切で、自問自答し、「本当にやりたいことは何だろう」と自分に何度も尋ねると、「私はこういうことをやりたいんだ」と気付くことにつながります。

 

 女性は、体の変化や心の変化、男性関係、結婚をしたり、母親になったりと、ジェットコースターのように、世の中での立ち位置が変わってくるんです。男性ももちろん変わるんですけれども、女性のほうが急激に変わりますので、常に「自分が何をやりたいのか」「どうなりたいのか」「どういう存在でありたいのか」を明確にしていただきたいなと思います。

 

 さらに「自分の深いアイデンティティーが含まれているか」「自分にしかできないこと」を考えます。それには「(日頃)何を感じているのか」が問われます。自分が一番震えるものは何か。私は、あるニュースメディアに出演した際、日本人女性の自己肯定感がとても低いことを知りました。この現実を目の当たりにし、私は女性たちを「元気にできるような存在になりたい」って思いました。

 <その2>やりたいことをひたすらに伝えていく

 

 皆さんは、自分の気持ちを伝えるのがやや苦手な世代かと思います。やりたいことが明確になった以上、誰かに伝えないと現実にはならないんです。自分のやりたいことを運んでくれるのは人なんです。自分が努力しただけでは実現しない。人が運んでくるチャンスにいかに乗れるかが大事です。

 「インスタグラム」や「X(旧ツイッター)」で、「私はこういう存在ですよ」とアピールする。英語でも書けば、世界中の人に届くチャンスがあります。

 勇気がいるけれど、人に言っておくと、誰かの耳に入り、誰かが思い出してくれます。自分で発信するしかない。ぜひ皆さんも恥ずかしがらずに言ってもらいたいな。

 

 <その3>ビジネス的側面を考える

 

 皆さんのような技術職の方は、技術そのものを勉強するのは大前提で、それをどうやってお金にしていくかを考えることも大事なんです。稼がないと続けていけない。稼がないとやりたいことができませんから、ちゃんと調べてもらいたいんです。

 美容は不思議なもので、人を「癒やす力」がある。皆さんには「また会いたい」と思わせてくれるような人間力も絶対に必要です。

 ちゃんと稼げるようになると、精神的な安定剤となります。お金のことは、子どもの時、大人から教えてもらいたかったジャンルです。自分のやりたいことをやるためにどう稼げばいいのか。自分でやりたいことで稼ぐにはどうしたらいいか。二つの側面から考えてもらえたらいいなと思います。

 

 (2)学生へ「心にメンタルヒーローを」

 ▼学生 何をきっかけに今の仕事に就かれましたか。

 ★MEGUMI 人によって、本当にやりたいことが見つかるタイミングは違うんですね。私は歌手を目指していたけれど、挫折したんです。次の道を探さなくてはいけなかった。27歳で妊娠し、忙しい日々がぴたりと止まりました。向き合う時間ができて「本当に好きなものは何だったんだろう」と考えると、「映画」だった。「ああいう格好いい画の中に自分がいたら、どんなにいいだろう」と。食器を洗っている時に、ふと「私、映画に出たいんだ」と(気付いた)。

 そしてマネジャーに表明した。でも自分は「人より映画を見ているのか」と自問自答し、「見ていない」と。「映画の勉強をしているのか」「芝居は勉強しているのか」と自分に問うことから始めました。生活の中で、つい時間を忘れてでもやることってありますよね。「時間を忘れる時間」というのが、本当に好きなことだと思うんですね。それを書き出してみる。まだ10代ですから、チャンスも時間もあります。

 ▼学生 自分と向き合い、目標を設定する。目標に向かっては、どういう努力をされているのか。大切にしてることを教えてほしい。

 ★MEGUMI お芝居の先生を付けました。(台本の)読み方、泣き方、発声と、基本のキから学びました。そして作品を見て、その感想を書く。ちゃんと言葉にする。地味で誰も見ていないですが、その世界に携わることをちょっとずつやると、本当にその世界に寄っていく感じがあるんです。そういう生活を始めて、俳優として仕事が続けて入るまでに10年ぐらいかかりました。

 ▼学生 やりたいことを否定されるのが怖いという気持ちをなくすにはどうしたらいいですか。

 

 ★MEGUMI 日本人は否定したがるし、私も毎回、否定されます。私の心には「メンタルヒーロー」のような存在がいます。イチローさん、建築家の安藤忠雄さんです。否定されたときに、YouTubeや本を通じ、格言に触れます。

 イチローさんが「プロ野球選手になりたい」と言った時、「なに、夢みたいなこと言ってるんだ」と否定された。メジャーリーグに行くと言うと、「米国で日本人が無理」と否定された。イチローさんでさえ、否定されていたのなら「そういうものだ」と思い直すことができるんです。

 否定されると、悲しくなる気持ちが生まれるけれど、「絶対、形にしてやる」というエネルギーに変えることもできる。だから、そういうもんだと思ってもらいたい。なるべくくじけないでほしい。この先、否定されることはいっぱいあるけれど、ポジティブに、自分の「ガソリン」に変換して、頑張ってもらいたいです。

 ▼学生 仕事でつらいとき、どうやって乗り越えたのですか。

 ★MEGUMI 運動はとても良い。100つらいのが、50ぐらいになる。美容や運動は皆さんが思っている以上に、たくさんしてほしいです。生活に入れてもらえると、自分で自分の「手綱」を引けるようになります。「この香りをまとえば、落ち着く」という風に、これから10年ぐらいかけ、自分の「レシピ」のようなものを作ってもらいたい。

 

 (3)「MEGUMI」をさせていただいてます!

 ▼記者 初授業はいかがでしたか。

 

 ★MEGUMI (女子学生たちが)不安とワクワク感を抱きながら、聞いてくれる姿にパワーを頂きました。

 

 ▼記者 新年度、挑戦したいことは。

 ★MEGUMI 料理をうまくなり、作ったことのないものを、丁寧に作って食べることを強化したいですね。

 ▼記者 不安を語る子が多かったですが。

 ★MEGUMI 女性として大変なのは分かります。同調しつつ、「頑張ってね」と励ましてあげたい気持ちになりました。

 ▼記者 本日は「名誉学院長」でしたが、今、肩書は何がしっくりきますか。

 ★MEGUMI 自分でもなんだか分からなくなってきています。「MEGUMI」をさせていただいてます(笑)。

 

 (4)出会いの春にイチオシの美容法

 ▼記者 やはりご自身は美容オタクですか。

 ★MEGUMI そうですね。美容や健康、すごく好きで、いいと思ったものは全部試して、常にアップデートを繰り返している感じです。

 ▼記者 初授業は、ご自身の生き方を踏まえた説得力ある話しぶりでした。あのポジティブさや打たれ強さ、どこから湧いてくるんですか。

 ★MEGUMI 決して打たれ強いわけではなくて。感情的ですし、逆に弱いと思うんですね。ただそこから逃げずに、どうすれば乗り越えられるかなというふうに考えている。

 どうせ時は過ぎるし、どうせそういう(否定される)ことはこれからも起きるので、プロフェッショナルな方に相談したり、美容をやってみたり、そうすることで改善されていく経験がたくさんあります。誰もが生きているうちに、つらいことは起きます。だったら、前向きに、乗り越えていった後は、強くなるし、自信にもつながっていくので、そういったところをお伝えできたらと思います。

 私は強くはなくて、皆さんと同じです。ただ、乗り越えるすべを、ちょっと人より多く知っているかな。

 ▼記者 美容もその乗り越えるすべの一つ?

 

 ★MEGUMI きれいになるだけではなくて、心を整えてくれるのが美容だと思います。

 

 ▼記者 きれいになるのは、誰かのためでもありますか?

 ★MEGUMI 昔はそうでしたね。モテたいとかね。売れたいとか。誰かに評価されたいというのが若い時は美容の目的でしたけど、今は自分を整えるというか、自分がきれいになったら、自分がうれしいし、うれしかったら人に優しくできるし、新しいことにもチャレンジできる。「人生が変わる」と思っていますので、自分のために、今はやるようになりました。

 ▼記者 「ご自身のために」というところに、向上心や美への探究心をすごく感じます。元々、お持ちだったんですか?

 ★MEGUMI そうですね。小さい頃から、習い事をいっぱいやりたくて、「あれもやりたい」「これもやりたい」と言っていたのが、そもそもの気質ですね。途中からいきなりそうなったわけではないですね。

 ▼記者 ご自身が「きれいになって一番うれしかった」と思ったことは何ですか。

 

 ★MEGUMI 女性の皆さんで、共鳴してくださる方が増えたということですね。長いこと芸能界でやってきているから、ビフォアが分かっているんですよね。ほうれい線が出て、顔がくすんでいた時、太った時とかを分かってくださっている分、今の変化を、年を重ねているけれども、「あっ! 変われるんだ」というところに、皆さんとても興味を抱いてくださった。イベントをしても、女性の方がたくさん来てくださるようになった。そういう「共鳴感」が美容をやっていて、とても良かったなと思います。

 ▼記者 女性からの支持ですね。

 

 ★MEGUMI 男性からはほとんどないんですけどね(笑)。怖いみたい。まぁ、怖いんですけどね(笑)でも、いいやと思って。女性の皆さんが「頑張ろう」と思ってもらえるよう、仕事しています。

 

 ▼記者 10代の頃はどんな様子だったんですか。

 

 ★MEGUMI むちゃくちゃというか。やりたいことが定まらなくて、とにかく興味があるものに、(手当たり次第)どんどん。バイトしたり、米国にいきなり行ってみたり、歌手になりたいってやみくもに練習してみたり。行動していた感じですかね。

 ▼記者 ご自身の次のステージは? 10年後はどんなふうに?

 

 ★MEGUMI 10年後だと先過ぎて。世の中が変化しまくっているから。直近で、日本と海外を行ったり来たりするような、きちんとそれが仕事として成立するような形をつくっていきたいです。

 ▼記者 社会人デビュー、入学など、春は「出会いの季節」。イチオシの美容法を教えていただけますか?

 

 ★MEGUMI (肌が)乾燥しているのが一番良くない。乾燥がシミ、しわ、くすみなどをつくっていきます。乾燥させないようにするには、表面を潤すだけではなくて、内側を潤さないといけない。

 内側を潤すために、毎日シートマスクを貼っていただく。貼るだけですから簡単ですし、ちゃんと(肌の)奥が潤っていけば、必ず3日ぐらいで変わってきます。ぜひやってもらいたいなと思います。

 ▼記者 男性の人たちにもお薦めでしょうか?

 ★MEGUMI 男性もやったほうがいいですよ。普段やっていない分、伸びしろがまだまだ、いくつになってもあります。男性こそ、きれいになったらうれしいと思いますので、やってもらいたいなと思います!

 ※初授業とインタビューの動画が、YouTubeチャンネル「うるおうリコメンド」(略称うるりこ)でご覧になれます。

(取材・文=共同通信 藤原朋子 撮影=佐藤まりえ)

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