埼玉新聞

 

人気アトラクション、乗り放題に長蛇の列 杉戸町、東武動物公園を貸し切り 卒業祝いに中3生を招待

  • 高速回転する「ミュージックエキスプレス」に乗り込み人気アトラクションを楽しむ生徒ら=4日、東武動物公園の遊園地

 埼玉県の杉戸町は4日、卒業祝いとして町内の公立中学校に通う3年生を東武動物公園の遊園地に招待した。参加した町内全3校の生徒らは、中学校生活最後の思い出づくりになったと喜んでいた。

 コロナ禍で修学旅行や体育祭など多くの学校行事が中止となる中、義務教育最終年度となる中学3年生に地元での思い出をつくってもらおうと町が企画。午後6時から同8時まで遊園地を貸し切り、アトラクションを乗り放題にした。町内全3校計376人の生徒に呼び掛けたところ311人の生徒が参加。町は88万4千円の補正予算を組んだ。

 生徒らは、入場すると目当てのアトラクションに直行。貸し切りだったものの人気アトラクションには長蛇の列ができた。お気に入りのアトラクションに何度も乗る姿もあった。人気が高く行列待ちの「新滑空水上コースターカワセミ」に乗り込んだ生徒らは、超高速スピードで全身を揺さぶられながらも声を張り上げ楽しんでいた。

 町立広島中の斉藤小姫さん(15)は「コロナで全ての学校行事が中止になったので、町からの思いがけない招待はうれしかった。子どもたちだけの貸し切りは新鮮で、中学生活最後の良い思い出になった」。同中の小山拓人さん(15)は「このような住民サービスが受けられ、この町に住んでいて良かったと思った。町を誇りに思っている」と語った。東中の遠藤柑那さん(15)は「遊園地を貸し切って無料で遊べることに特別感があり、町が子どもたちのこともちゃんと考えてくれていると思った。以前にも増して町に対する愛着が湧いた」と話した。

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