埼玉新聞

 

<新型コロナ>ワクチン接種始まった病院「予想より痛くない」「安心大きい」 2週間後の宣言解除の目安は

  • ワクチン接種を受ける公平病院の職員=4日、戸田市

 大野元裕埼玉県知事は4日、臨時の記者会見を行い、政府が緊急事態宣言を2週間程度延長する意向を示したことについて、時短営業要請に応じた飲食店などに対し、感染防止対策協力金を1日当たり6万円、最大84万円の支給を継続する方針を示した。大野知事は「一刻も早く正常な経済活動に戻ることができるよう取り組みにご協力いただきたい」と、事業者に呼び掛けた。

 感染防止対策協力金は県内全飲食店が対象で、営業時間を午前5時から午後8時まで、酒類提供時間を午前11時から午後7時までとすることなど、支給要件はこれまでと同じとなる予定。これまでに申請のあった事業者には、申請手続きを簡略化する。

 知事はこれまでに県内事業者の多くが時短営業に協力していることへの感謝を示し「これを徹底していくことが極めて重要」と強調。引き続き感染機会を減らし、新規感染者減に取り組むとした。

 知事は同日、県内でも新型コロナウイルスワクチンの医療従事者向けの優先接種が始まったことも明らかにした。対象は約23万人で、来週までに計42箱(4万950回分)のワクチンが順次到着する見込み。同日には県内7医療機関に到着し、そのうち戸田市の公平(こうだいら)病院で接種が始まった。知事は「うれしいが、残念ながら非常に少ない量。これから医療従事者の方々が安心して予防接種や患者対応に当たることができるよう、早急なワクチンの確保、送付をお願いしたい」と国に対応を求めた。

 ワクチンが届いた公平病院では、医療従事者10人が接種した。真っ先に受けた公平誠院長(41)は「予想より痛くなく、気分も悪くない」とし、「新しいワクチンへの不安はあるが、接種で発症の確率が低くなることで心の余裕が持てる」と述べた。発熱外来などでコロナ対応に当たる看護師の女性(25)は「打つ前はドキドキしたが、今は安心の方が大きい」と話した。

 同日は県の専門家会議が開かれ、2週間後の宣言解除の目安として、県内の週平均の入院者を500人以下とすること、1週間の人口10万人当たりで見た1日の新規陽性者の平均を7人以下とすること、また、隣接する東京都の感染動向などを見て、総合的に判断することを確認した。

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