埼玉新聞

 

約束の寄付、戸田出身ボートレーサー黒井選手が戸田市に渡す 影響与えた先輩J1浦和・宇賀神選手の言葉

  • 菅原文仁市長に寄付の目録を手渡した黒井達矢さん(左)=戸田市役所(市提供)

 戸田市出身でモーターボートレースの黒井達矢選手(30)が「育ててくれた戸田市への恩返し。子どもたちのために役立ててほしい」と、1着の数に応じた33万5072円を同市に寄付した。小中学校で先輩だったJリーグ浦和レッズの宇賀神友弥選手(30)が、アジアの子らを飢餓から救う学校給食のためにゴールやアシスト本数に応じて寄付活動をしていることを知り、それにならったという。

 金額は昨年1月から12月まで、黒井選手がボートレースで1着になった回数(74回)に黒井さんの選手登録番号4528を乗じた数。

 黒井選手は2017年12月、神保国男市長(当時)に面会し「来年(18年)の1年間で1着になった数に自分の登録番号4528をかけ合わせた金額を市に寄付することを約束します」とする「表明書」を手渡し、「来年は1勝でも多く走りたい」と宣言した。

 その際、黒井選手はサッカーで活躍する宇賀神選手のことを話した。

 黒井選手が戸田第一小時代に参加したサッカーのクラブチームに飛び抜けてうまい選手がいて、その人が宇賀神選手だった。宇賀神選手は戸田中では1学年上で、浦和ユースで活躍。黒井選手は卓球部で、お互いに付き合いはなかった。

 しかし黒井選手もボートレースのプロになったことから、思い立って宇賀神選手に会いに行ったという。その時、宇賀神選手が「俺はこんなことをしているよ。おまえもやれるところからやってみれば」と話してくれた。

 それは、アジアの子らを飢餓から救う学校給食のため、試合でゴールやアシストを決めた本数に応じて寄付をしているということ。黒井選手は「自分ができることは何か」と考え、1着の本数分の寄付を思いついたという。

 約束を果たした黒井選手は「戸田生まれ、戸田育ちなので地元に貢献したいと思っていた。寄付は、子どもたちのためなどに使ってもらい、子どもたちがボートレースを知るきっかけになればうれしい」と話した。

 寄付金目録を受け取った菅原文仁市長は「黒井選手は地元愛にあふれた方です。寄付金は教育、子育て、福祉などさまざまな課題の解決のために大切に使わせていただきます」とお礼の言葉を述べた。

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