埼玉新聞

 

開通は27年!ついにトンネル貫通、道7キロの区間を5キロショートカットへ 関越道・花園IC~新山梨環状道路を結ぶ、延長110キロ“西関東連絡道路”の一部 最新システムで圧巻の掘削、工事中断トラブルなし

  • 大滝トンネルの内壁に穴が開き、一筋の光が差し込んだ瞬間=3月19日午前10時ごろ(県西関東連絡道路提供)

    大滝トンネルの内壁に穴が開き、一筋の光が差し込んだ瞬間=3月19日午前10時ごろ(県西関東連絡道路提供)

  • 大滝トンネルの内壁に穴が開き、一筋の光が差し込んだ瞬間=3月19日午前10時ごろ(県西関東連絡道路提供)

 2027年ごろの開通を目指し、工事を進めている国道140号「大滝トンネル」(秩父市大滝強石~落合区間、全長2053メートル)が19日午前10時ごろに貫通した。山梨方面に向かって、大型ブレーカーの重機でトンネルの内壁を削っていくと、左上部から小さい穴が開き、外界につながる光が差し込んだ。瞬間を見届けたJV工事事務所の作業員や発注者ら約60人は、万歳をして貫通の喜びを分かち合った。

 大滝トンネルは、関越自動車道花園インターチェンジ(深谷市)と新山梨環状道路(山梨県)を結ぶ、延長約110キロの西関東連絡道路の一部。現道7キロの区間を約5キロ(10分)ショートカットし、防災力強化とアクセス改善を担う。長さは、寄居町の釜伏トンネル(2560メートル)、秩父市の大峰トンネル(2200メートル)に次いで県内3番目。

 掘削作業は22年5月から開始。「ドリルNAVI」などの最新遠隔操作システムで、岩盤を火薬の発破で掘削し、ずり出し、吹き付けコンクリートなど一連のサイクルを一日約6回繰り返し、長さ7・2メートル、幅11・5メートル、高さ7メートルの掘削を毎日積み重ねた。

 同事務所の古家義信所長(47)は「ベテランと若手作業員の連携がうまくかみ合い、途中で工事が止まるようなトラブルや事故は起こらなかった」と語った。
 

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